この記事をまとめると
■クルマには基本の機能こそ変わっていないがメカニズムが大きく進化を果たしたものがある
■後方を確認するルームミラーは普通の鏡から防眩ミラー、そしてバックカメラへと進化した
■ATとステアリング機構はその中身が劇的な変化を遂げている
車両の後方確認は鏡からカメラへと変化
基本機能は変わらないが、その内容が大きく進化したメカニズムが少なくないことに気づかされる。塵も積もれば山となる、といわれるが、文字どおり改良の積み重ねによって大きな進化を果たし、現代に生きるメカニズムに焦点を当ててみることにした。
ドライバーズシートに腰を下ろして、目に入るものをチェックしてみるとルームミラーが目に飛び込んでくる。いわゆる後方確認システムだが、最初はふつうの鏡だった。しかし、夜間、追尾する後続車のヘッドライトが映り込むとドライバーの目が眩惑されることから、反射率を下げた防眩ミラーが考案された。
この防眩ミラーは、反射率の低い透明のガラス面(防眩側)と反射率の高い鏡面と、ふたつの反射面を設けたところがカギとなる装備だ。通常は、反射率の高い鏡面で後方の状況を見る方式だが、夜間、後続車のヘッドライトが映り込んで眩しく感じる場面では、反射率の低い反射面に切り替え、眩しさを抑えるミラーである。
この防眩ミラー、基本は手動切り替え方式だが、ミラー内に光を検知するセンサーを設け、光が当たると自動的に反射率を下げる自動防眩ミラーが開発された。ミラーに光があたった状態では防眩ミラー、光がなくなると元の反射率の高い通常モードに戻る自動切り替え方式で、使ってみると夜間走行で非常に便利な装備であることを実感できる。
また、バックミラーを鏡による光学方式ではなく、バックカメラとモニターを連動させたカメラモニタリングシステムも法令(2016年)で認められるようになった。フェンダーミラー、ドアミラーと較べて死角が少なく、夜間でも視認性のよいことが特徴だ。
なお、モニターで見る後方視界は、鏡で見る左右反転したものではなく、実像が映し出される点が大きな特徴となる。