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ホンダの原点「バタバタ」が蘇った! これまでの「アシスト自転車」とは違う「SmaChari(スマチャリ)」がスゴイぞ (2/2ページ)

ホンダの原点「バタバタ」が蘇った! これまでの「アシスト自転車」とは違う「SmaChari(スマチャリ)」がスゴイぞ

この記事をまとめると

■ホンダが「SmaChari(スマチャリ)」という電動アシスト自転車を発表

■コーダーブルームの自転車をベースとしてY’sロードにて9月より販売を行う

■販売予定価格は22万円(税込)となっている

今度はホンダが電動自転車に挑戦

 F1やモトGPといった世界最高峰のモータースポーツの現場から、世界中の空を飛ぶ飛行機や大海原を航行する船、それから我々がもっとも親しみを持っている自動車まで、ありとあらゆる乗り物を手がけている企業。それがホンダという会社だ。

 また、このほかに発電機やバッテリーや耕運機、製品化はされていないが、二足歩行のロボット「ASIMO」といった近未来的なモノまで手がけていた。このような製品を数多く生み出しているホンダに対しては、「動くモノならなんでも扱っている」といったイメージを持っている人も多いのではないだろうか。

 そんな「何でも屋」みたいなホンダだが、ルーツを遡るとじつはもっと小規模なモノから始まったメーカーだったりもする。かの有名な創業者、本田宗一郎氏が最初に手がけたモノは自転車用補助エンジン(開発当時の会社名は本田技術研究所)。これは通称「バタバタ」と呼ばれるモノで、正式名称は「A型(エンジン)」という。とてもシンプルな製品で、自転車に補助エンジンをくっつけて漕がずに走れるという、バイクのような、現代風にいえばエンジンアシスト自転車(!?)のようなモノである。本田宗一郎氏の母親が自転車で大変そうに買い物に行く姿を見て、「どうすれば楽にしてあげられるか」というのが、この製品が生まれたキッカケであった。このとき使用したエンジンは、50ccの2ストローク仕様で、無線機の発電用エンジンを改造したモノだったという。

 戦後間もない1947年ともなれば、乗り物はとても高価なものでとても庶民が買えるモノではなかったが、このバタバタはなんとか庶民でも手が届く価格でリリースしたためヒット商品となった。小さな製品ではあるが、これが現在のホンダになるまでの礎を築いたのだ。

 つまり、ホンダのルーツは、遡ると「自転車」といってもそう的外れなことではないのかもしれない。

 さて、前置きが長くなったが、ホンダの原点とも言える「バタバタ」が、なんとこの令和の時代に復活したとのことで、その詳細をお届けしよう。

 今回ホンダから発表されたモノは「SmaChari(スマチャリ)」と呼ばれるユニットだ。これは、ホンダが開発したスマートフォン用アプリ(Android、iOSどちらも対応)と、既存の自転車に装着するバッテリーとモーターといったパワーユニットを組み合わせることで、スタイリッシュかつ軽量な電動アシスト自転車になるといった代物。

 ホンダでは、社内や社外で自らプロジェクトを発案して企画、製品化まで行う段取りを応援する新規事業創出制度「IGNITION」というのがある。この「SmaChari(スマチャリ)」もそんな「IGNITION」を利用して誕生した製品というのが特徴。企画を主導したのは、入社以来N-BOXやN-ONEを中心にNシリーズの内装設計に従事してきた野村真成(のむら なおき)さん。自身の高校時代の実体験が生かされているという。

 ちなみに、なぜクロスバイクベースなのかというと、現在の高校生たちは従来の「ママチャリ」と呼ばれる自転車ではなく、スポーティで快適な移動ができる「クロスバイク」と呼ばれる自転車を使って通学することが多いとの調査結果が出たそう。しかし、自転車を使うほどの通学距離ということもあり、移動がストレスになっている事実もあるという背景から、ホンダがそういった「長距離通学」や「自転車での移動」に関する課題を解決しようと動いた結果が今回の製品の誕生秘話だ。

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