水陸両用にトランスフォームにスケスケ天井のベッドルーム! 欧米のキャンピングトレーラーが「子どもの夢」レベルの楽しさだった (2/2ページ)

キャンプサイトについたらすぐさまトランスフォーム

トラック・ティバン

 オーストラリアは山岳地帯や砂漠など、サバイバルな土地柄もあって優れたアウトドア製品に事欠きません。トラックトレーラー社は、そんな地域で1985年の創業以来、一貫してキャンピングトレーラーの製造に従事してきた老舗メーカー。オーストラリアを、そしてキャンパーのことを知り尽くしているといっても過言ではないでしょう。

 そんな彼らのヒット商品が、こちらのTバンで、平たく言ってしまえば展開バリエーションがトランスフォーマー並みに豊富すぎるキャンピングトレーラーということ。

 その証拠に、2000年にMk1を発表すると、2009/2011/2015年のオフロードキャンピングカー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、2023年はついにMk5にまで進化したというとてつもないパフォーマンス、使い勝手を有しているわけです。

 ご覧のとおり、本体はさほどオーストラリアなサイズではありませんが、エクストラベッドルームやオーニング(日よけ)、キッチンがそれこそ秒で展開できる仕組みはあっぱれなもの!

 小柄ゆえに軽量な本体には専用設計のサスペンションが装備されるなど、オフロードをグイグイ進んでいくオーストラリアのキャンプにはもってこい。なるほどオブ・ザ・イヤーを獲るだけのことはあります。

 前述のとおり、テントのセットアップは30秒で完結し、サイドオーニングやエクストラベッドルームの拡張などフルコンプリートにも5分しかかからないという利便性は、地面にペグ打ちから始めるキャンパーがこぞって羨む高性能。

 もっと羨ましいのは、こういうの使い倒せるオーストラリアの土地柄かもしれませんがね。

ミンク・キャンパー

 前の2台に比べると、より日本のキャンパーに向いていそうなのがこちらのミンク・キャンパーでしょう。一見すると「デザインこそ凝ってっけど……」どうなのって感じですが、これがじつによくできています。

 ボディサイドの丸い窓や、流線形ボディが目を引くスタイルで、内部はクイーンサイズのベッドが備わり、天井もほとんど全面がアクリルガラス張り。つまり、「眺めのいいベッドルーム」をアウトドアに持ち出せるということ。せっかく山奥までたどり着いたのに、見晴らしが「思ったより……」という経験、オートキャンパーなら誰しもしていることでしょう。ミンクなら、ぬくぬくとベッドにいながら、満点の星空を眺めたり、山の頂からご来光とともに目覚めたりできるわけです。

 また、眺めがいいだけでなく、車体後部をガバっと開けば小さいながらオープンキッチンが装備され、12Vプラグやアイスチェストなどなど不自由なくアウトドアライフが過ごせそう。

 じつはミンクは北欧、アイスランドでプロジェクトがスタートしたブランドで、それゆえミニマルなデザインや、自然環境を心底から楽しむコンセプトが貫かれているのです。2017年にファーストモデルがリリースされると、SNSを通じて瞬く間に大ヒット。

 大家族が楽しめるキャンピングカーもいいですが、大自然を素のままに楽しむとなったら、ミンクのような「余計なものを取り払った」キャンピングトレーラーがしっくりくるのかもしれません。なるほど、北欧のセンスとか見識を感じさせる製品です!


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
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