上質な乗り心地は200万円台から狙える!
さらにトヨタ車では、224万円から手に入る、カローラクロスも意外なほどサルーン的乗り味を示す。HV車が優位なのは当然だが、しかしガソリン車のZ、2WDグレードでも、出足から濃厚かつスムースでトルキーなエンジンフィールを味わえ、乗り心地はちょっと前のトヨタの高級車並みの上質でしなやかでおおらかなタッチを示してくれる。
意地悪く段差や荒れた路面、ゼブラゾーンを走らせても、高いボディ&足まわり剛性としなやかな足まわりが見事にいなし、フラットな快適感を保ったまま走破してしまうのだから、驚くしかない。とくに低中速域で、そうした印象が強くなる。
走行性能、走破性で一流の三菱アウトランダーPHEVも、「まるで高級車な走りが味わえるSUV」である。自然なドライビングポジション、シートのかけ心地の良さに加え、高出力ツインモーター4WDによるモーター駆動のウルトラスムースかつ力強い加速感、圧巻の静かさ、そしてもちろん高い走破性が自慢だが、乗り心地に関しても、高い車体剛性(部分によって最大40%UP)、足まわり剛性の高さを始め、先代のトレーリングマルチからマルチリンクにグレードアップされたリヤサス、ワイドトレッド化もあって、255/45R20サイズという大径タイヤ(転がり抵抗と燃費に特化したBSエコピア)を履いていながら、じつに滑らかで体にやさしい乗り味を示してくれるのだ。
3ゾーンフルオートエアコンによる前後席の空調環境も文句なし。アウトランダーはいまや三菱自動車の役員も乗られる三菱のフラッグシップモデルなのだから、乗り味の高級感が不可欠でもあるのだ(低速域でキツい段差を乗り越えたときの、足まわりから入ってくる音、振動は要改善だが)。
最後に紹介するのはマツダ車。とくに3列シート仕様もあるCX-8の乗り心地はアメリカンとも言うべきゆったりとしたタッチで、とくに2.2リッタークリーンディーゼルターボは、ディーゼルとは思えない、下手なガソリン車を上まわる全域の振動、騒音の小ささ、伸びやかな加速感、よりトルキーな動力性能、力強い加速感が魅力。低重心感覚ある乗用車ライクな運転感覚(Gベクタリングコントロールも効いている)も好ましい。
また、同マツダ車のクロスオーバーSUV、MX-30の乗り味も、万人向けとはいえ、段差の乗り越えや荒れた路面の走行でさえマイルドで乗員にやさしいタッチを示してくれる。人馬一体、Gのつながりをアピールしているマツダ車としては、回頭感も加速性能も比較的マイルドにしつけられているものの、逆に言えば、誰もが自然に安心して運転でき、同乗者も快適に乗っていられる、上級感ある走りが味わえるということだ。