この記事をまとめると
■全国の中高生を対象とした「第11回モビリティデザインコンテスト」が開催れた
■「世界をリードするモビリティデザイナー誕生に繋げる」ことを目的としている
■表彰式には入賞の6名が参加
デザイナーの卵が集合!
3月27日、都内(千代田区)で「第11回モビリティデザインコンテスト」の表彰式が行われました。これは、公益社団法人自動車技術会傘下のデザイン部門委員会(各メーカーのデザイナーなどにより構成)が企画、2012年から行われている公募イベントで、全国の中学・高校・高等専門学校生を対象に「世界をリードするモビリティデザイナー誕生に繋げる」ことを目的としたものです。
昨年度までの「カーデザインコンテスト」から「モビリティデザインコンテスト」に名称変更した今回の応募テーマは「10年後の暮らしを楽しくする乗り物」。応募総数329件(高校生308件、中学生21件)の作品について、同委員会32名により厳密な審査が行われ、6名の入賞者と佳作者23名が決定、表彰式には入賞の6名が参加しました。
●すべての人を幸せにする純粋な視点
入賞者のうち「創造性に優れていて、審査員の総意で特別に選出」された審査員特別賞は2名が受賞。宇野暁斗さんの「ON-boo(オン・ブー)」は、車イスに代わって医療・介護施設内を自動移動する乗り物の提案。ペットのように和む形状にAIを搭載、移動だけでなく、常に乗り手の健康状況をチェックできる点がユニークです。
浜名克聡さんの「CV:TOL」は、救急車自体を格納することができる自動運転の未来型ドクターヘリ。迅速な救助を可能にする垂直離着陸や、屋根にバッテリーを積んだEVの救急車を提案。ディテールまで描き込まれたスタイリッシュなスタイリングに目を惹かれます。
「工学的な工夫に優れた作品」に贈られるダビンチ賞は山口レオン剛史さんの「CONVEYING TOWN」が受賞。クルマではなく、道路自体が巨大なベルトコンベアーとして移動し、街全体が動くという逆転の発想です。トンネルの屋根に置かれたソーラーシステムで発電する点は、いまという時代を反映しているようです。
●プロ顔負けの提案とスケッチ力
「イメージや機能が最も優れて絵に表現されている作品」に贈られるモビリティデザイン賞は2名に。加藤凜さんの「MOBAR」は、何と動くBARの提案。公共交通が未発達な地方都市で、安心してお酒や食事ができる自動運転式のモビリティを考えました。スクエアなボディに合わせ、車輪も四角いキャタピラーとした点が秀逸です。
増田朔山さんの「ZERS」は、高齢化が進む農家への対策として、Z世代に響くファッショナブルな農業用車両を提案。農産物の収穫や納品の他、キャンプなどレジャーにも対応するエクステリアは、ガルウイングドアを採用したスポーティカーのよう。極めて高いスケッチ力にも注目です。