この記事をまとめると
■2023年全日本ジムカーナ選手権が開幕した
■注目はPE1クラスに参戦したテスラ・モデル3
■全日本競技において初出場の電気自動車が表彰台を獲得
PE1クラスにテスラ・モデル3が参戦!
2023年の全日本ジムカーナ選手権が3月26日、モビリティリゾートもてぎを舞台に開幕。朝から激しい雨に祟られ、ヘビーウエットとなるなか、各クラスで第1ヒートから激しいバトルが展開されていた。
そのなかで注目を集めたマシンがPE1クラスに参戦した「テスラ・モデル3」で、ベテランドライバーの深川敬暢選手が全日本競技において初めて電気自動車を投入したのである。
PE1クラスは『電気式駐車ブレーキを備えたP、AE車両』、つまり、わかりやすく言えば電動パーキングブレーキを備えた2ペダル車両を対象にしたクラスで、2022年に山野哲也選手が躍進したことが影響したのだろう。2023年の開幕戦には5台がエントリーするなど、ルノー・アルピーヌA110が同クラスの主流となっているが、そのほかにもポルシェ・ケイマンやポルシェ911GT3R、さらにメルセデスAMG・A45が参戦するなどプレミアムなマシンが集結。サイドブレーキがないながらも、雨のなか、心地よいサウンドを響かせながら、リズミカルな走りを披露していた。
そのなかで一際、静かながらもアグレッシブな走りを披露していたのがBEVのテスラ・モデル3で、前日の公開練習ではトップタイムをマーク。残念ながら日曜日の競技本番では2位に惜敗したが、それでも全日本競技において初出場の電気自動車が表彰台を獲得したのである。
深川選手は1998年に全日本ジムカーナ選手権にデビューした参戦25年目のベテランドライバーで、ロードスターを武器にPN1クラスで、これまでに3勝をマークするなど豊富な実績を持つ。その深川選手はテスラ・モデル3に対して「ダンパーとスプリング、タイヤとホイール、ブレーキパッドを除けばノーマルの状態ですが、全日本ジムカーナでも十分に戦えると思います。車両重量は重いけれど、トラクションがいいのでコースによってはいいタイムが出せると思います」と好感触だ。
たしかに、テスラ・モデル3の走りを見ていると、ストップ&ゴーの加速はすばらしく、ポルシェ911GT3Rやルノー・アルピーヌA110に匹敵するほどの立ち上がりを見せていただけに、セッティングの熟成が進めばトップ争いを左右することだろう。
なお、ディフェンディング王者の山野選手は前週のスーパー耐久シリーズ開幕戦・鈴鹿ラウンドでクラッシュを喫し、負傷したことから同ラウンドを欠場。アルピーヌA110の大橋政哉選手がPE1クラスで初優勝を獲得している。