この記事をまとめると
■セルフのガソリンスタンドには静電気除去パットが用意されている
■静電気除去パットに触れるのはどれくらい重要なことなのだろうか?
■静電気の火花はけっして軽視できるものではない
静電気火花が原因の火災事故は少なくない
春になって乾燥シーズン、そして静電気の嫌な季節が終わろうとしている。
ところで静電気といえば、「セルフのガソリンスタンドでは、静電気除去パットに触れてから給油を開始してください」というアナウンスがあるが、あのパッドに触れるのはどれぐらい重要なことなのだろうか?
総務省消防庁が発行した「給油取扱所における事故事例の調査・分析について」という資料を見ると、平成 12年から平成21年までに発生した給油取扱所での火災事故件数は、平均して毎年約36件発生。
そのうち 52%が、危険物が関連した火災事故で、危険物が関連した火災事故170件のうち、約85%(145 件)はガソリンに関連している。
そしてこの170件の危険物に関連する火災事故に係る着火原因のうち、59件、全体の35%が静電気火花とのこと。
これは危険物に関連する火災事故に係る着火原因の第一位で、静電気の火花はけっして軽視できるものではないというのがわかるはずだ。
ガソリンには揮発性が高いという特徴があり、気化したガソリンの引火点は-40℃以下とかなり低い。
給油時に燃料キャップを回すと、「プシュー」という音がすることがある。あの音は、タンク内の気化したガソリンが外に出てきたときの音。
これはまさに引火点は-40℃以下の燃えやすい気体なので、静電気のちょっとした火花だけでも十分火がつく可能性がある。
給油キャップを外す前に、静電気除去パッドに触れておけば、帯電していた電気は給油機を介し、地面へと放電されるので、そうしたリスクは解消される。
そういう意味で、静電気除去パットのタッチは、省いてはならない大事なアクションだということを覚えておこう。
さらにいえば、給油中はスマホや携帯電話の使用も禁止。スマホや携帯電話の発する電磁波や静電気によって引火の恐れがあるためだ。