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そうそう使える代物じゃない? F1由来の技術がどのぐらい市販車に採用されているか考えてみた (1/2ページ)

そうそう使える代物じゃない? F1由来の技術がどのぐらい市販車に採用されているか考えてみた

この記事をまとめると

■「レースは走る実験室」と昔からよくいわれている

■四輪レースの最高峰「F1」で培われた技術がそのまま市販車に採用されることは稀だ

■F1の技術はスーパーカーに多く採用されるがわずかながら一般的な量産車にも活かされている

F1由来の技術ってどのくらい市販車にある?

「レースは走る実験室」というのは、かの本田宗一郎氏がいったとされる名言で、モータースポーツからのフィードバックにより量産車をレベルアップさせようという姿勢は、多くの自動車メーカーが持っている。

 そして、モータースポーツというのは、エンジニアなどを鍛える場であると同時に、マーケティング的にいえば、ブランド価値を高める場でもある。そのため、四輪モータースポーツの頂点といえるF1に由来するテクノロジーを採用したと喧伝しているクルマは数多い。

 しかしながら、本当の意味でF1直系テクノロジーを搭載したといえるスポーツカーは決して多くない。なぜなら、F1の技術をそのまま公道に持ち出すのは無理があるからだ。

 一例を挙げると、F1のエンジンを冷えた状態から始動させるには事前に冷却水や潤滑油をヒーターで温めておく必要がある。大富豪が展示用に所有するならまだしも、自動車メーカーが量産車として保証をつけて販売するクルマにF1エンジンをそのまま載せるということは現実的ではない。

 では、エンジン以外であればF1由来のメカニズムを量産車に載せることは可能だろうか?

 F1直系テクノロジーの代表例として知られている技術としてフェラーリ「F1マチック」がある。1997年、量産モデルの「F355」に初採用されたパドルシフトによって変速操作のできるセミオートマチック・トランスミッションだ。

 パドルシフトを市販車に用いたという意義は大きいが、フェラーリF1がパドルシフトを実践投入したのは1989年のことなので、意外に時間差はある。もちろん、トランスミッションの構造からしても別物。あくまでイメージとしてF1との共通性をアピールしたという風に理解するほうが実態に近いといえる。

 現時点でもっともF1に近いハードウェアといえるのは「メルセデスAMG ONE」であろう。

 最強時代のメルセデスAMGペトロナスF1チームのノウハウを活かしたパワーユニットは、1.6リッターV6ターボに2種類のモーターを組み合わせたもので、このハイパーマシンではさらにフロント駆動用にふたつのモーターが搭載されている。トータル出力は1000馬力以上、シャシーは軽量かつ高剛性なカーボン製というのもF1マシンを思い起こさせる。

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