気持ちがヘコんだときは元カノに教えてもらった曲でタイムスリップ!? 【シーン別ドライブで聴く曲 青山尚暉編】 (2/2ページ)

思い出の曲で脳内タイムスリップ!

 70~90年代に青春していた人にとって、昨年、デビュー50周年を迎えたユーミンは忘れられない(今でも)存在のポップシンガーのひとりと言っていいかもしれない。今も昔もユーミンファンであり、すべてのアルバムを聴き、80年代からコンサート(ツアー、および苗場)に足を運んでいるボクだが、とくに青春真っただなかの80年代に聴いていた曲は、今聴くことで、ボクにとっては当時のかけがえのない思い出とともに気分を晴れやかにしてくれる効果がある。その楽曲は決してアップテンポである必要はなく、また歌詞に特別に元気づけられる必要もない。大切なのは、当時の生き生きしていた時代の思い出に浸れること。

 当時も今も大好きな曲として、70~80年代の楽曲であれば、「コバルトアワー」(1975)、「何もきかないで」(1975)、「中央フリーウェイ」(1976)、「朝陽の中で微笑んで」(1976)、「埠頭を渡る風」(1978)、「星空の誘惑」(1984)、「SWEET DREAMS」(1987)、「Nobody Else」(1988)、「WANDERERS」(1989)、「ANNIVERSARY」(1989)などがあり、イントロが始まっただけで当時にタイムスリップし、当時の思い出に浸れる曲そのものなのである。

 そうそう、70年代、夜遅く、クルマで女の子とドライブに出掛け、夜明けに東京へ戻ってくる、ただ走り、車内で音楽を聴くことだけが目的のドライブが大好きだったのだが、その帰路、空の色が紺碧から茜色に代わり始める都心に近づいたとき、当時はカセットテープで流していたのが、ユーミンの「コバルトアワー」(歌詞に出てくるのは白いベレG/いすゞ・ベレットだが、ボクが乗っていたのはパルテノンアイボリーのいすゞ117クーペだった)、そして大橋純子さんの「クリスタルシティ」。こちらは大橋純子さんの透き通るような歌声、一流ミュージシャンで構成された美乃家セントラル・ステイションのクリスタルなサウンドが夜明けのドライブデートにぴったりだった(夜明けの中央フリーウェイで新宿の摩天楼が見え出す頃に最適!?)。この曲も、なんだか気持ちをワクワクさせてくれる効果が、今でもあったりする。

 そうした楽曲から引き出される当時の甘酸っぱくもある思い出に脳内タイムスリップすることで、今のちょっとした悩みやヘコんだ気持ちを吹き飛ばしてくれるというわけだ。そんな曲を数多くリストアップできるボクはつくづく幸せ者だと思う。あくまでボクの悩み、ヘコみ対策だが、辛いとき、自身がもっとも輝いていた、楽しい時間を過ごしていた時代に大好きだった曲を、誰にもジャマされない車内のオーディオで聴き返す……その方法は多くの人にとってもアリかもしれない。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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