サンダーボルトをモチーフにしたインテリアの演出
インテリアにもエクステリアと同様のカラーコーディネートが施された。フロントシートには、ブライト・イエロー×ブラックのレザーシートを採用。また、この限定車のために開発された「クラブ・レザー」というひときわ強い光沢と深みを増したブラックレザーが、アームレストやトランスミッショントンネル、ダッシュボード下部パネルなどに使用され、ナチュラルグレインブラックレザーとのコントラストを形成。限定モデルに相応しい特別な空間を演出している。
ステアリングホイールにもイエローとブラックのコンビカラーを採用。このステアリングホイールの12時の位置には、モチーフになったサンダーボルトを運転するドライバーの方向感覚を保つために地面に引かれた黒いラインからインスピレーションを得た、ダークカラーのマークが設定される。さらに、天井にはサンダーボルトが最高速度記録を達成した1938年9月16日のユタ州に現れた星空を2117個もの光ファイバーで再現し、その功績を讃えている。
インテリアパネルには、1930年代の計器をモチーフにしたイエローベゼルのアナログ時計が配置され、その下にはサンダーボルトが記録した最高速度「357.497mph」を刻印。さらに、レイスのV12エンジンのグラフィックを描くことで、最後のV12クーペを記念した限定車であることを誇張する。
レイスの生産終了に際して限定12台のみが製作されるブラックバッジ レイス ブラックアローは、世界最高速度記録を達成した「サンダーボルト」に敬意を表したビスポークモデルとして、またV12を搭載した最後の2ドアクーペとして相応しいクルマに仕上がっている。ロールス・ロイスの2ドアクーペは今後、「スペクター」という同社初の量産EVに置き換わることが決定しているから、このブラックバッジ レイス ブラックアローは、V12クーペの記念碑として永遠にロールス・ロイスの歴史に刻まれることになるだろう。