街で見かけたら「敬礼」必至! 伝説を作った「尊敬しかない」初代モデル4選 (2/2ページ)

まさに自動車の未来を変えたレジェンド

初代トヨタ・プリウス

 とにかく初のハイブリッド車として、21世紀に入る前に路上を走り出しただけでも伝説ものです。が、やっぱり未知のものに対する無理解も半端なく、「あの(回生)ブレーキの感触がイヤ」とか「充電してるかどうかメーターが気になって仕方ない」など、ネガな声が少なくなかった気がします。また、カリフォルニアのトヨタがデザインしたスタイルも当時の小型車としてはルーフが高く、個性的なフロントマスクなども相まって「物好き」が乗るクルマなどと揶揄されてこともありましたっけ。

 それでも、ハイブリッド車が路上を走るという「未来」を実現した功績は計り知れません。トヨタにしても赤字を覚悟してのリリースだったため、各社とも技術はあれど後続車をすぐさまリリースできたところは皆無だったかと。いずれにしろ、道を切り拓くパイオニアとしてのプリウスは完璧なまでに役目を全うしたのではないでしょうか。

 ちなみに、2代目からは3ナンバー登録へと大型化していますので、小さなボディに技術を凝縮しているという意味でも初代は称賛されるにふさわしいモデルといえるでしょう。

初代ホンダ・オデッセイ

 ホンダが主催した報道向け試乗会は、たしか神戸で行われたと記憶しています。いまでも「こんなズングリムックリが!?」という印象がよみがえるほど新鮮な驚きを感じた1台です。なにしろ、ミニバン風のボディながらシャシーは当時のアコードを流用していますから、小まわりよくきびきびと破綻なく走るのです。

 それでいて、車内はゆとりある空間が広がり、運転席からの眺めもじつに開放感あふれるもの。不思議とファミリーカーを意識することなく、ただただ気分よく乗れたこと、つまりクルマとしての出来が素晴らしかったということにほかなりません。

 初代オデッセイもまた売れに売れたモデルですが、低床、ロールーフのファミリーカーに先鞭をつけたという意味においては忘れがたい存在でしょう。これ以降、各社が似たようなコンセプト、スタイリングで追随したことはいうまでもありません。一方で、オデッセイを凌駕できたクルマも見当たりませんので、やはり初代は神がかっていたのではないでしょうか。

 ちなみに、初めて走った神戸の交通環境は都心育ちの筆者にとってかなりのカオスでした(笑)。ワイルドな交通マナーに馴染んでいかないと、むしろ危ないという状況において、オデッセイがしっかりついていけるクルマだったことも好印象の一因です。いや、ほんといまでも走ってるのを見ると「見識あるドライバー」だと軽く目礼したくなるほどです(笑)。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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