EVのネックとなる航続距離を考慮したバッテリー性能
電気モーターはフロントアクスルに搭載され、最高出力は226馬力を発生する。そして、床下に配置されたバッテリーはWLTPモードで最大450kmもの航続距離を実現。さらに、EVとして同社初の前輪駆動を採用した。ちなみに急速充電器を使用すると、20分でバッテリー残量を最大で80%まで充電することが可能だ。
さらに、最新テクノロジーとして、衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシスト機能などによって部分的な自動運転が可能な「トラベルアシスト」や、駐車を代行してくれる「パークアシストプラス」などを装備しており、ドライバーの負担を軽減してくれる。
市販時の価格は、ベースモデルが2万5000ユーロ(日本円で約360万円)を切るプライスを予定しており、EVの普及を目指した心意気を感じさせる価格設定となっている。
ID. 2all コンセプトは、2025年に欧州市場で市販モデルを公開する予定だが、現時点で市販されてもおかしくないほどの高い完成度となっている。2026年までに10車種の新型EVを発表するというフォルクスワーゲンの計画に、量産モデルのID. 2allももちろん含まれているが、市販化された際には、これまでにない低価格帯のコンパクトEVとして、多くの人にとって魅力的なクルマになることは間違いないだろう。
さらに、フォルクスワーゲンは、新たなEVのコンパクトSUVを2026年に登場させることもアナウンスしているから、今後の動向にも注目したい。