この記事をまとめると
■洗車で新車並みの美しさを維持する方法を解説
■高圧な水流で洗うことが基本だ
■黒いパーツやウインドーガラスの仕上げ方もコツ
洗車で新車並みのコンディションを維持する方法とは?
洗車はそのやり方によって、仕上がりはピンキリである。80年~90年代の日本の洗車ブームをけん引し、自身でも洗車関連の著書執筆、ビデオ出演、TV、ラジオ出演(どちらもNHK!!)経験があり、長年、洗車ケミカル、補修用品メーカーのアドバイザーを務めてきた筆者は、かつての洗車小僧だった。
そんな筆者の愛車はもちろん、自宅での手洗い洗車が基本。今乗っているステーションワゴンは、納車日に自らコーティングを施し、その範囲は、ボディ表面はもちろん、エンジンルーム内、ドア断面、サイドシル内側、ホイールに及ぶ。プロのコーディング業者だとオプションになるスペシャルメニュー並みの施工である。そうすることで、長年、きれいなまま乗れる”下地”ができるというわけだ。
さて、今回のお題は洗車で新車並みのコンディションを維持できるか? である。大前提としては新車時、あるいは中古車購入時にプロのコーティングを施工しておくことがベストな方法だ。ただし、コーティング業者もピンキリで、施工する担当者によっても仕上がりは異なる。筆者の友人で、輸入車を購入し、ディーラーでコーティングをしたものの、仕上がりに難があり、3回やり直してもらった……なんていう話もある。ちなみに現在、筆者のステーションワゴンは新車から6年目にキーパーラボでEXキーパーを施工している。ある意味中古車だが、下地処理も見事で、新車並みのボディコンディションに蘇って感動した覚えがある。
話がそれてしまったが、洗車道は奥が深く、追求していくと深い沼に入ってしまう。かつて、フェアレディZのチューニングカーのオーナーが、自宅ガレージでエンジンを下ろして、エンジンルームに入り、磨いたという逸話を聞いたことがあるが、そんなことは一般人には無理な話。ここでは、誰にでもできそうな、ある程度の道具を揃えれば、日々の洗車で新車並みにきれいに維持できる方法を伝授したい。
まずは洗車の基本となる水流による洗車だが、水圧が弱いとボディ表面の、たとえば今の季節なら花粉や黄砂を落としきれず、そのままボディに触れるとかえってキズを付けてしまう原因になる。そこで、自宅、または洗車場で、高圧な水流で洗うことが基本となる。その際、ボディ全体はもちろん、下回り、パネルの隙間もしっかりと高圧の水で洗い流したい。パネルの隙間に汚れが詰まっていると、雨の日、隙間に入り込んだ水気に汚れがまじり、流れ落ちることで黒い流れシミとなり、それが紫外線に当たるとしつこい水垢になってしまうのだ。
ただし、高圧の水だけで完全に隙間の汚れが落とせるわけではない。自身でできる完璧な洗車には、カーシャンプー、バケツ、洗い用&水気ふき取り用タオルなどに加え、ブラシ、ホイール用専用スポンジなどのアイテムが必須となる。ちなみに筆者の水気ふき取り用クロスは、90年代のユニセーム(合成セーム皮)のデッドストック(といっても自宅に買い置きしていたもの)を中心に4つを使い分けている。ひとつはクルマを買ったときに下ろすボディ用、ウインドウ用、そして使い古したものが下まわり用、ドア断面などの戸当たり用となる。そもそもボディ用のセーム皮をウインドウに使う、ボディ用のセーム皮を下まわりに使うのはNG。きれいに洗ったつもりでも、微細な汚れは残っている可能性があり、それをほかの部分に移したくないからだ。
洗車の手順としては、上から下へが基本だが、まずはタイヤ&ホイール、下まわりから洗う。最後に汚れのもっともひどいタイヤ&ホイール、下まわりを洗うと、せっかく洗ったボディに汚れが飛散し、多くの場合、洗い直しが必要になってしまう。
ところで、クルマをきれいに見せる方法のひとつが、黒いパーツを黒々と仕上げ、ウインドウガラスをクリアにすること。タイヤ&ホイールや黒いパーツがビシッと黒々と仕上がっていて、ウインドウが磨かれていれば、ボディが多少汚れていても、クルマ全体としてキリリと引き締まって見えるものなのである。