ラリー界のスーパースターたちは名前も凄かった
スバル・インプレッサ WRX typeRA STi VersionII V-Limited
三菱 ランサーエボリューションVI トミ・マキネンエディション
ご承知の通り、いずれもラリータイプの一流スポーツカーで、しかもモデル寿命の長かったクルマ。これは車名が長くなるのもうなづけます。まずは何代目なのかわかるようにすることや、仕様(バージョンやエディション)のアピールも商品価値を大きく向上させてくれるに違いありませんからね。ところで、インプレッサで使われているリミテッド(限定版)というワードも愛車自慢の際には使いやすいのかと。「オレのはリミテッドだし」などと上から言われると、なんだか限定じゃない方は「お、おう」となりがち。
また、トミ・マキネンという名ドライバーの名前も飛び道具。「なにしろトミ・マキネンだからね」と言われると、これまた「お、おう」とぐぅの音も出ません。速いクルマにこそ有効なキラーワードでしょうから、マクラーレンもゴードン・マーレーエディションとか、ランボルギーニ・フェルッチオメモリアルなんて付けたら売り上げも倍増するかもしれませんね。
ランチア・デルタ アッカエッフェ インテグラーレ エボルツィオーネ ドゥエ コレツィオーネ エディツィオーネ フィナーレ
もはや漫画の必殺技ネームすら超越して、クルマ版の「寿限無」と呼んで差し支えないでしょう。陽気なイタリア人にしては、ずいぶん真面目に理屈を並べたものだと感じます。アッカエッフェはとりもなおさずHF、すなわちHigh Fiderityを表し、ランチアで主にラリー向けに高性能チューンを担っていた部門のバッジということ。で、インテグラーレはイタリア語で「完璧」とか「完全」といった意味で、全輪駆動を指していたかと。それが進化(エボリューション=エボルツィオーネ)しちゃった末に、2代目(ドゥエ)のコレツィオーネ(コレクション、つまりは限定的)に編集(エディツィオーネ)されたものの、最終版(フィナーレ)となりました、的な車名。
生真面目なまでに車名を構築した結果、世にも珍しい長いものとなっているわけで、販売側の苦労が目に浮かぶようです。道路でこのランチア・デルタを発見しても「あ、ランチア・デルタ アッカエッフェ インテグラーレ エボルツィオーネ ドゥエ コレツィオーネ エディツィオーネ フィナーレだ!」などと言ってる間に、クルマははるか彼方まで走り去っているはず。ここまで長いと、略称というかニックネームでも付けたほうが便利っぽい。もっとも「インテのエボドゥエフィナーレ」とか中途半端に長くなりそうですけどね(笑)。