「凹んだ時」に「イラッとした時」何を聴く？　DJが選んだ【シーン別ドライブで聴く曲　石橋　寛編】 (2/2ページ)

凹んだ時に癒してくれる曲も

「ドライブで癒される」

　とかく生きづらい世の中ですが、そんな最中でも容赦なく不幸は降りかかってきます。リモート勤務になって喜んでいたらいつの間にかリストラされたとか、ヤフオクで頑張って競り落としたカメラがどうしようもないジャンクだったとか、我々を凹ませるネタはいくらでもあるわけです。そんなときこそクルマに乗ってチョロチョロとドライブしてみてはいかがでしょう。夕暮れどき、滲む太陽に向かってゆっくりとしたテンポで流し、そんなとき、PUSHIMの「夕陽」は凹んだ気持ちを優しく撫でてくれるはず。

　あるいは、フロー・ライダーの「Wait」だって、気のおけない友人からざっくり慰められているようなタッチ。また、慰めてくれるだけでなく、やんわりと勇気づけてくれる、気分を少しだけ上向きにしてくれそうなのはStealers Wheel「Stuck in the middle」なんかが良さげ。そんなセレクトでちょっとでも回復したら、Quasimodeのにぎやかなナンバー「High And Dry」でコンディショニング。仕上げにシャカタクの「Night Birds」なんか選んだら、ネガなんてどこかに吹き飛んでいるはず。ドライブと音楽のケミストリーは、凹んだときこそ効き目があるものです。

「腹が立ったときこそ音楽でカムダウン」

　煽り運転とか、うすのろドライバーに遭遇したとき、筆者は車内でモノマネの練習で気を紛らしていますが、レパートリーのない方は耳に聞こえのいい音楽こそ特効薬。科学的にバロック音楽の揺らぎはヒトの交感神経を正常化する効果があるそうですが、下手すると眠くなりがち（笑）。そこで、J-POP、一緒に口ずさむことでイライラ気分も解消、眠気だってぶっ飛ぶはず。ピチカート・ファイブ「東京は夜の七時」とか八神順子「思い出は美しすぎて」、あるいは怒髪天がパフォーマンスしている「夏のお嬢さん」、RCサクセション版「サン・トワ・マ・ミー」なんかは絶叫系ですから、効果もてきめんかと。筆者の歳も歳なのでチョイスがオールドスクールなんですが、大切なのは一緒に口ずさむ、もっといいのは車内で大声を張り上げる＝絶叫できる曲ということ。よくいるでしょ、信号待ちで隣のクルマをみたら、大口開けてカラオケらしきドライバーって（笑）。