この記事をまとめると
■国産車のなかでとくに納期遅延が深刻なのがトヨタとレクサス
■モデルチェンジが重なり、新規受注を停止する車種も
■新規受注を停止しているクルマ、納期が比較的短いクルマを一覧にした
新規の受注を停止するクルマが多数
国内乗用車9ブランドのなかで、納期遅延が深刻といえるのがトヨタとレクサス。とくにトヨタブランドは売れ筋がHEV(ハイブリッド車)となり、さらに国内新車販売では圧倒的シェア(販売台数が圧倒的に多い)をもってのトップセラーブランドとなっているので、いまの半導体不足などによる生産現場の混乱も大きいのかもしれないが……。しかし、単に納期が目立って遅いというならまだしも、新規に発注すらできない車種も増えている。以下に記した車種は本稿執筆時点で独自に調べた新規受注停止車一覧である。
なお一覧にはなく、最新情報が把握できなかったがパッソも販売現場で聞いた時に新規発注枠があとわずかとなっていたので、すでに新規受注停止となっている可能性が高い。
新規受注停止車一覧(独自調べ)
・カムリ
・アルファード&ヴェルファイア
・ヤリスクロス
・C-HR(ハイブリッド)
・カローラクロス
・RAV4
・ハリアー(一部グレード)
・ランドクルーザー300
・ランドクルーザープラド
・ハイラックス(一部グレード)
・GRヤリス
・GR86
その多くはモデルチェンジや改良を控えたことによる新規受注停止となるのだが、たとえば販売現場で聞くと「ヤリスクロスは2024年に改良予定となっており、すでに現行型の新規受注は受け付けておりません」となっている。現行型は長期の納期遅延となっていたので、改良時期から逆算してバックオーダー消化可能なタイミングで新規受注を停止しているので、かなり早いタイミングで現行型が発注できない状況となっているのである。
カローラクロスの状況もヤリスクロスと同じとなっているようだ。結果的に人気モデルほど多数のバックオーダーを抱えているので、当然ながら改良などが入るとバックオーダー消化期間を設けなければならないので、結果的に“現行モデルを新たに発注できない時期”が長期化していくことになる。
過去にはシエンタが2022年8月に3代目がデビューしているが、当初は6月デビュー予定だったともいわれていた。半導体などの部品供給の問題も影響し、2代目のバックオーダー消化に予想以上に時間がかかったともいわれ、結果として3代目の発売が遅れたといった話も当時飛び交っていた。
人気モデルほど新規受注停止になったり、納期の深刻な長期化が起こり、現場のセールスマンからは「まともに販売できるクルマがない」と、あいさつ代わりに聞くことも珍しくなくなっている。