この記事をまとめると
■アウトランダーPHEVは昨年12月で誕生から10年目を迎えた
■三菱自動車の岡崎工場テストコースにて新旧アウトランダーPHEVを乗り比べた
■10年の間で比べ物にならないほどの進化を遂げている
新旧アウトランダーPHEVをあえていま乗り比べる
プラグインハイブリッド(PHEV)とは通常のハイブリッドカーよりも大きなバッテリーを搭載し、外部からの充電(プラグイン)を可能としたハイブリッドカーの進化版と言えるもの。
今でこそ国内外のさまざまなメーカーがPHEV車をリリースしており、クロスオーバーSUVタイプのモデルはその親和性の高さから人気の高いモデルとなっているのはご存じのとおりだ。
そんなクロスオーバーSUVタイプのPHEVを世界に先駆けて市販化したモデルこそ三菱のアウトランダーPHEVであり、2012年12月の発売から気づけば10年が経過した。
当時はクロスオーバーSUVタイプのPHEVとして初ということだけでなく、市販のPHEV車としてもプリウスPHV(3代目30系)に次ぐ2車種目ということもあり、まだまだPHEV時代の知名度も低い状態だったが、その高い完成度でPHEVの知名度向上に貢献したモデルであることは間違いないだろう。
筆者も当時初代アウトランダーPHEVに複数回乗る機会に恵まれたのだが、大容量バッテリーによるEVライクな走り味や、三菱が長年培ってきたS-AWCによるSUVとは思えない回頭性の高さ、そしてトルクフルなモーター駆動によるパワフルな加速感などに感動した記憶がある。
さらに2018年8月にはエンジンを2リッターから2.4リッターへ換装し、PHEVシステムの主要構成部品の9割に改良を加えるフルモデルチェンジ並みのマイナーチェンジを実施。EVライクな走り味をより強めたほか、S-AWCにも改良が加えられた。
この大幅改良モデルには雨の箱根で試乗する機会があったのだが、初期型の美点をより伸ばしていた上にS-AWCの改良やアクセルレスポンスの向上なども相まって、2トンクラスの車重を持つモデルとは思えないハンドリングマシンに仕上がっていた点にいたく感動したものだった。
そんなアウトランダーPHEVは2021年10月にリリースされた2代目モデル(アウトランダー全体では3代目)が現行車として販売されており、その完成度の高さと初代よりも大幅に高級感を増した内外装で、日本のみならず海外でも高い評価を集めている。