この記事をまとめると
■ハイパフォーマンスワゴンは走りもレジャーも楽しめる1台だ
■日本では初代のスバル・レガシィツーリングワゴンがブームの火付け役と言われている
■海外では500馬力以上のパワーを誇るハイパワーワゴンが販売されている
ハイパフォーマンスワゴンは1台で何役もこなせる万能車
人と荷物をほどほどに積むことができ、しかも4WDだからキャンプやスキー&スノーボードに行くのも安心。そのうえ並みのスポーツカーにも負けないハイパフォーマンスさえも兼ね備えたワゴンは、まさに“これ1台で何でもOK!”な万能車と言えます。そんな理想(ホントか!?)のクルマを国産車1+2台、輸入車2台……、計5台ご紹介します。
ハイパフォーマンスワゴンのルーツを探る!
ボディがエンジン・居住スペース・トランクにきっちりわかれているセダン。そのセダンのボディ後部=トランクを上と後ろに広げ、後端をハッチ式ゲートで開閉させるのがステーションワゴンです。もともとセダンが母体ですから、前席&後席の居住性も運転した感じも、前から見たスタイリングとひっくるめてセダンとほぼ同じ! ハッチ式ゲートの奥にある広くもなければ狭くもない荷室を活用すれば、セダンとして乗りながらも荷車として使うこともできる。荷車として乗りながらも、セダンの居住性&プレミアム性も満喫できるというクルマ、それがステーションワゴンの魅力です。
そんなクロスオーバー的なメリットを熟知していた遊び上手なアメリカ人は、昔からステーションワゴンにいろんなアウトドアアクティビティのギアを積んでフィールドに出かけていたのです。また、ヨーロッパの裕福なビジネスマンは、平日は自宅とオフィスの往復に使い、週末は郊外の別荘まで出かけるクルマとしてステーションワゴンを使っていました。その一方、遊び方・クルマの乗り方が下手くそな日本人は、ずいぶん昔からステーションワゴンを使いこなす発想もスキルも持ち合わせておらず、そもそも国産車には業務用バンはあれどワゴンは存在しなかったのです。
ところが1989年に1台のクルマがデビューします。そう、スバル・レガシィ ツーリングワゴンです! スバルはこのレガシィ・ツーリングワゴンを開発するにあたって、既存のステーションワゴンにはない付加価値をいくつもプラスしました。「セダンと荷車をクロスオーバーさせて便利なクルマが出来るならば、4輪駆動システムを付ければもっと便利になるだろ!?」と、スバル・レオーネ時代から培ってきた4輪駆動のテクノロジーをプラス。「しかもオートマチックトランスミッションなら、ラクラクスキーやサーフィンに行けるじゃないか!!」と、オートマを必須に! ここでスバルは「4輪駆動システム+オートマって意外と重くなっちゃうんだよね〜」と懸念したんですが、それをツインターボを付けることで解消! こうして280馬力(初代は200馬力)を誇るハイパフォーマンスワゴンが誕生したのです。
セダンと荷車と四駆スポーツカーが合体(しかもオートマ!)したクルマ、レガシィ・ツーリングワゴンはバカ売れ! 発売当初は月販7000台を軽くオーバーしたとか!? その大人気に感化されたライバル社は、スバルに負けじとこぞってバカっ速ワゴンを開発→販売! かくしてハイパフォーマンスワゴンブームが勃発したのでした。今から33年前のことです。