この記事をまとめると
■日本人の有名カーデザイナーとそのクルマを紹介
■国産車はもちろん輸入車も担当した人も多くいる
■いまでも第一線で活躍しているデザイナーもおり、高い評価を得ている
世界中で活躍する日本が誇るカーデザイナーたち
ジウジアーロにピニンファリーナ、ベルトーネなど、有名カーデザイナーといえばイタリアのカロッツェリアやその出身者などがほとんど。しかし、もちろん日本にも優れたデザイナーは数多くいます。そこで、今回は国内や世界で活躍した日本人デザイナー5人を紹介したいと思います。
ドイツプレミアムメーカーに影響を与えたデザイン
まず、海外で活躍した日本人デザイナーとして和田智氏を取り上げます。武蔵野美術大学を卒業後、日産を経てアウディへ移籍した氏が、3代目A6や初代A5で同社のデザインに大きな影響を与えたことは有名です。
一方、日産時代の仕事も秀逸でした。1988年の初代セフィーロは、後のA5を予感させる流麗なセダンで、プレスドアを用いたカタマリ感のあるスタイルが印象的。また、流行の4ドアハードトップとして開発された初代プレセアでは、凹面のランプやグリルレスのフロントの表情、張りのあるボディ面の質感が見事でした。
2010年の独立後は、クルマ以外にも時計や家電など幅広いプロダクトデザインを手掛けていますが、ジウジアーロに通じる実用的でシンプルなデザインが魅力と言えます。
輸入車としては異例のヒット作をデザイン
もうひとり、海外で活躍したデザイナーとして取り上げたいのが児玉英雄氏。多摩美術大学を卒業後GMに入社、その後オペルのスタジオに移り、以後40年間に渡って同社で活躍しました。
同氏の仕事といえば、やはり1995年発売の初代ヴィータ(2代目コルサ)でしょう。抑揚ある面が魅力的なコンパクトハッチは150万円台という価格設定で、トレンディドラマで使われたことにもあって大ヒット作に。続く2代目ではシャープさを加えた高い質感を見せ、一方、超個性的2ドアクーペの初代ティグラも魅力的でした。
また、氏は群を抜く表現力のイラストも有名で、自動車雑誌でのコラム連載や画集の発売も話題となりました。