スリット&ディンプルで新たな価値を宿す
2022年に誕生した新星、クロスオーバーガーメンツ。ウェッズが放つ新ブランドは、ホイールメーカーのクリムソンとのコラボによって生み出された、異色の話題作である。ラインアップの2モデルも異色の趣となった。
デザインとプロデュースは、ディーンやMGでおなじみのクリムソン。販売はマッドヴァンスなどのヨンク系ブランドを抱えるウェッズ。日本のホイール界を牽引するビッグネームがタッグを組み、業界では異例のコラボによって誕生したのがクロスオーバーガーメンツだ。
そのコラボ作にはスタイルMとスタイルUを設定。スタイルMは8本のショートスポークを持つディッシュ形状で、スリットとディンプルを組み合わせたメカニカルなフェイスが刺激的。ディスク中央部では急激に落とし込ませるなど、荒々しさと力感がみなぎる意匠となった。当然、風合いも格別。マットブラックをベースに天面のみ切削し、ブラッククリアでフィニッシュ。ヨンクの足もとをタフに彩る。
スタイルMは主要ヨンクは幅広く対応する16&17インチ。華麗なフィニッシュは都会の街並みにも映える風合いゆえ、ランクル&プラド、RAV4、エクストレイルの街オフスタイルにオススメだ。
クロスオーバーガーメンツから放たれた、もう1本の作品がスタイルU。骨太感があってギア風味なスタイルMに対し、同じ8本スポークながら、リムいっぱいまで広がる伸びやかな印象で、スタイリッシュな薫りが漂う。とはいえ、ビードロックホイールを想起させるリムフランジ造形、デザインやスポーク付け根に添えたディンプル加工、センターキャップのボルトアレンジなど、オフロード系ホイールとしての多彩なギミックは抜かりなし。フィニッシュはスタイルMと同じマットブラッククリアとなり、アーバンとオフの2面性を持たせた。
スタイルUはスタイルMと同様、デリカD:5やプラドをカバーする16&17インチ。しかしスタイルUにはジムニー&ジムニーシエラに対応したサイズも用意。
洗練のUと、無骨なM。性格はそれぞれ異なるが、巧みなバランス感は共通。今後の真打ちになりえるモデルだ。