クルマをプライベート空間として利用するという考えも 若年層は免許取得後すぐから、カーシェアリングが身近な存在となっていた世代ですが、それでもなお、愛車を持つことに価値を感じる人が一定数いるという結果。もちろん、「生活する上で必要」と回答した人も若年層で67%となっているので、必ずしも回答者のすべてがクルマに趣味性や魅力を感じているわけではなさそうですが、このアンケート結果を見る限りでは、意識的によく言われる「若者のクルマ離れ」は起こっていないと感じます。むしろ、次の質問「車の利用の仕方について、興味のあるもの」の回答を見ると、若年層のほうが可能性を感じているのではないかと思えます。
若年層の回答で多いのは、「車内で音楽や映画を楽しむ」40%、「アウトドア(トレッキング、デイキャンプ、釣りなど)」31%、「車中泊の旅行」22%、「車でペットを連れた旅行」13%、「車を利用した電力供給」13%。近年はスマホと連携して好きな音楽や動画が楽しめるディスプレイオーディオの普及も進んでいるので、若年層が積極的に利用している様子がうかがえます。
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コロナ禍で注目された、クルマをプライベート空間として利用するという捉え方は、若年層のほうがより進んでいるよう。これからは、リラックス感のあるインテリアと先進インターフェースで車内時間を充実させることができ、なおかつ荷物がたくさん積めてアウトドア趣味などにも活躍するようなクルマが、若年層にとってはさらに魅力的になるのかもしれません。
そして興味深いのは、「高級車や輸入車など憧れの車のレンタル利用」に興味があると回答した若年層が7%と、ほかの年代よりも多いこと。高級なクルマ、話題のクルマ、カッコいいクルマに乗ってみたいという価値観も、まだまだ支持されていることがわかりました。
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実際に、2023年1月に開催されたTOKYO AUTO SALONでも多くの若年層が会場を訪れ、「あのクルマカッコいい」と話している様子をあちこちで見かけました。なかには、新型クラウンを見て「カッコイイ、欲しい」と言いつつも、「でも300万円くらいじゃないと、とても手が出せないよね」というような会話をしている若年層も。やはりクルマを所有することへの壁は、「欲しいけど高い」というジレンマが大きいと思います。この春の給料アップなどによって、その壁が少しずつなくなっていくといいですね。
※J.D. パワー調べ