この記事をまとめると
■インドでは「アンチ・スモッグ・カノン」と呼ばれる装置を積んだトラックを見かける
■「アンチ・スモッグ・カノン」は大気中に飛散している汚染物質を高速で飛ばした水滴で洗い流す装置だ
■大気汚染が深刻なインドではその対策のひとつとして導入されているようだ
空中の汚染物質を水滴で洗い流す「アンチ・スモッグ・カノン」
デリー市内の、とくに東京でいえば環状七号線のような環状道路(バイパス)とその周辺で、何やら怪しい装置を搭載したトラックを見かけた。この装置は「アンチ・スモッグ・カノン」などと呼ばれる装置のようだ。
この大砲で水滴を高速で飛ばすことにより、大気中に飛散している汚染物質を洗い流すという仕掛けとのこと。理数系にまったく弱い筆者が聞いても、どこまで科学的根拠があるのか首をかしげたくなる装置だが、地元メディアでも「気休め程度」とか「抜本的な解決策になっていない」と報じているところもあった。
まあ、このような製品であっても、行政当局が飛びつきたくなるほど都市部を中心としたインドの大気汚染は深刻なものとなっているということだろう。
デリーに来る前、日本でインターネットにてデリーの週間天気を検索すると、滞在中はすべて「晴れ」となっていた。しかし、デリーに到着すると青空を見ることはできなかった。ただ、かなり明るい曇り空のようになっており、スモッグで太陽がさえぎられていたのである。
BEV(バッテリー電気自動車)の普及率が全体の2割となっている中国。その中国でも15年ほど前には都市部は深刻な大気汚染に悩まされていた。しかし、排気ガス規制を欧州並みに強化していき、BEVが街を走り出すと、それまでは太陽をスモッグがさえぎっていた平日でも青空が見えるようになった。