大気汚染対策としてさまざまな政策を打ち出しているインド
デリーでは平日はまず大気汚染で太陽や青い空を拝むことはできないが、日曜日は朝からきれいな青空を見ることができた。中国の現状も大気汚染が十分改善されているとは言えないが、デリーの現状は10数年前の中国の大都市並みとなっているのが現実といえるだろう。
ここまで深刻になると、空中に水を撒いて大気汚染物質を洗い流す程度では、とてもではないが追いつかないようにも思える。
インド政府は低年式車の車両登録更新料を上げ、逆にBEVなどは免除するなど、おもに大気汚染対策ともいえる施策も打ち出している。そして、今後はBEVなど電動車両を急速に普及させていくに違いない(当面はバスやタクシー、ライドシェア、トラックなどがメインになっていくだろうが)。
日本とは異なり、インドはますます一般乗用車(いわゆるマイカー)の普及が進んでいく成長市場となっている。自分たちが豊かになれば、マイカーを持ちたい、そして実際に所有するというのは先進国も歩んできた道。先進国が主導で地球を汚しておきながら、新興国に「マイカーを持つな」とは言えるはずがない。
インド政府はBEVのみならず、水素やエタノール車などさまざまな手法で、自国の大気汚染を改善しようとしている。その政策実行スピードは速く、そして使命感は日本とは比べものにならないほど高い。それは事態が切迫しているだけではないようにも感じた。