この記事をまとめると
■軽ワンボックスバン、スズキ・エブリイについて解説
■源流は軽トラックのキャリイに用意されたキャリイバン
■基本性能や安全装備、使い勝手などの面で魅力溢れる一台
スズキ・エブリイを徹底解説
荷物の配達や集配などなどで活躍する軽商用車のエブリイ。働くクルマとして目にする機会は多いですが、どういうクルマなのか意外と知らないのではありませんか?
今回は軽ワンボックスバンのエブリイがどんなクルマかを詳しく紹介していきます。
エブリイって何?
ダイハツ・ハイゼットカーゴやホンダN-VANとともに軽ワンボックス商用車において高い人気を誇るエブリイ。源流は軽トラックのキャリイに用意されたワンボックスバンのキャリイバンで、その後継車として初代が1982年に登場しています。
※写真は7代目キャリイバン
ただし初代は7代目キャリイバンのマイナーチェンジ版であり、車名も「キャリイバン エブリイ」でした。
1985年に登場した2代目よりキャリイとなり、1991年に3代目、1999年に4代目、2005年に5代目がデビュー。現行モデルは2015年に登場した6代目となります。
現行モデルは2015年の登場後、細かい改良が施されていき2019年にはステレオカメラ方式のデュアルカメラブレーキサポートを装備するなど、安全装備の性能を大きく高める仕様変更を実施。
2022年には7インチディスプレイを新たに採用するなど装備の充実が図られました。
エブリイの基本情報をピックアップ
現行モデルには多彩なグレードが用意されています。
ベースグレードの「PA」、そこから「PAリミテッド」、さらにスズキ セーフティ サポートを標準装備する「PC」、「JOIN」とグレードが別れ、各グレードもトランスミッションや駆動方式の違いで価格が変わっていきます。
現行モデルの違いをわかりやすく表でまとめてみました。
現行エブリイのパワーユニットは1種類。R06A型660cc直3エンジンが搭載されます。
エンジンの最高出力は49馬力、最大トルクは6.1kg・m。ターボは装着されていませんが、商用車としては問題ないパワーを備えています。
表に記載したようエンジンに組み合わされるトランスミッションは3種類が用意されています。
5速MT、4速ATとともに用意される5速AGSとはMTをベースにクラッチやシフト操作を自動で行うオートギヤシフトのことでMTとAT両方の要素が備わったトランスミッション。
荷室に積載する荷物や道路状況に応じて1速発進モードと2速発進モードを切り替えることができるなど、モード機能が備わりました。ただし、「PC」には5速AGSを選択することができません。
多彩なトランスミッションには2WD、4WDをそれぞれ選択可能。パートタイム式4WDではありますが、路面状況などに応じて走行中、スイッチひとつで2WDと4WDの切り替えが可能となります。
現行モデルはすべてのグレードがハイルーフ仕様となり全高は1895mm。最小回転半径は4.1mで商用車に求められる小回りの良さを備えていることも特徴です。
エブリイに関する注意点
グレードによって安全装備が標準装備ではない
エブリイにはスズキの先進安全技術「スズキ セーフティ サポート」が装備されていますが標準装備されるのは「PC」と「JOIN」のみ。「PA」と「PAリミテッド」には装備されていません。
ただ、どちらのグレードもメーカーオプションで装着することが可能です。スズキ セーフティ サポートを装着するには7万1500円かかりますが、走行中の安心感はあるとないとでは大違い。可能な限り装着したい先進安全機能です。
5速AGSは試乗がおすすめ
先程、説明したように現行モデルにはオートギヤシフトの5速AGSを選択することが可能です。MTをベースとしながらATのように変速を自動で行ってくれる優れた機能ですが、シフトフィールはATほどスムーズではないですし、MTと比べて変速したいときにしてくれないなど、初めて運転すると違和感をおぼえる方が多いトランスミッションです。
慣れればその違和感は解消しますしATと比べて燃費が良いなどメリットを感じる5速AGSではありますが、購入前には試乗することをおすすめします。
ターボ設定がない
現行モデルのデビュー時に用意されていたターボエンジンですが、2022年の一部改良で廃止されたエブリイ。乗用モデルのエブリイワゴンは全車がターボエンジンとなりますが、現在用意されるのはNAエンジンのみとなります。
※写真はエブリイワゴンのエンジンルーム
ただ、使用用途を考えた場合、高速道路でのロングドライブを行うなどターボエンジンが必要なシーンはエブリイに関しては少ないはず。日常使いでパワー不足を感じることはないでしょう。