【試乗】XトレイルはもちろんアリアにGT-RにフェアレディZまで！　日産車の実力を雪上で徹底チェックしてみた (2/2ページ)

e-4ROCEでない4WDも華麗な走りを披露

　ちなみに、今回比較のためにドライブしたキックスやノート・オーテック・クロスオーバー（ノートオーラもあった）は、残念ながら「e-4ORCE」ではない。コンベンショナルなAWDシステムだったが、低ミュー路に足を取られて立ち往生することもなく、その気配すらない。「e-4ORCE」と比較すればスタートやコーナリングでの挙動の荒さが目立ったが、それでも絶対的な質量が低いことから、意外に優れた氷上性能を披露した。

　ノート・オーテック・クロスオーバーなどはむしろ旋回寄りのセッティングが際立っており、それはオンロードだけでもなくスノーロードでも健在。軽快に氷上を駆けまわった。e-4ORCEが機構的にメリットがあることは確認できたが、そもそものサスセッティングの完成度も重要であることをオーテックが示してくれたように思う。

　さて……、せっかくのスノードライブなので、今回持ち込まれていた日産が誇るスーパースポーツの走りも堪能した。

　GT-RはハイパワーAWDゆえに強烈なトラクション性能を披露したのだが、重量級ゆえにイナーシャが強く、暴れ馬と格闘しているかのようなアクションが求められた。とはいうものの、オンロードで世界最高峰の速さを誇るスーパーカーでありながら、スノーロードで走りを堪能できることを素直に喜ぶべきだろう。

　新型フェアレディZも同様に、FRらしいドリフト祭りに終始するのだが、ロングノーズのそのフォルムから想像するよりはるかに前後重量配分が整っている。ゆえに、スノーロードの天敵であるアンダーステアは軽微である。アクセルコントロール次第で自在にスノーダンスが踊れるのだ。氷上を舞うFRスポーツは、陽光を浴びてイキイキとしていた。

　総じて感じたのは、日産車はスノードライブに長けた要素が詰まっていることである。電気モーターを利用した「e-4ORCE」が好印象であるだけではなく、キックス・オーテックのような軽快なコーナリングモデルもラインアップしている。GT-RやフェアレディZはもちろん、豪快に雪煙をあげて疾走する。どのモデルも頼もしく楽しい。