維持費もガソリンモデルより高くなる傾向に
まず燃料代については、ガソリンとの価格差が小さくなっているし、価格自体も以前ほどは安くはない。理由はさまざまだが、精製技術が上がって原油から採れる量が減っていることや、中国などに回されているなどが理由の一端として挙げられる。さらに燃費については、たとえばマツダ車で比較してみると、5%から10%ほどいいだけで、微妙なところ。車種によるが、燃費の差、ガソリンと軽油の価格を鑑みると、10万km走ったところで10万円ちょっとの差がつく。目に見えるディーゼルのメリットなのだが、車両代の差を埋められるかというと足りないというのが結論となる。
そして高いのがメンテ代だ。クリーンディーゼルの場合、オイルは専用品を使用する必要があるし、オイルが汚れやすいことからオイルフィルターも大サイズのものが使われている。つまり費用が高くなるわけで、実際にネットでは不満の声が大きく聞かれる。ただ、メンテナンスパックに入っていれば負担は大きくはないが、ガソリン車ほどは小さくはない。
クリーンディーゼルの場合、いわゆるエコカー減税が適用されるのはお得ではある。しかし、これについてはじつは見直しが決定されていて、お得度がかなり小さくなってしまうのは痛い。さらにこれはあまり知られていないが、経年車に対する自動車税の割増は、ガソリン車が13年経過時なのに対して、ディーゼル車は11年経過時となって長く乗る場合、遜色が出てしまう。
このように見ていくと、損得勘定だけで見るとディーゼルはお得とは言えないのが実際のところだろう。ただし、トルクを活かした頼もしい走りはディーゼルならではのもの。そもそもクルマを損得勘定で買うとなると、軽自動車にまさるものはなくなってしまう。結局はディーゼルならではの乗り味がよければ買えばいいのではないだろうか。