この記事をまとめると
■チューニングカーとスーパーカーでは同じパワーでも維持管理の手間が異なる
■スーパーカーの場合はハイパワーでありながら快適装備が使えるメリットがある
■チューニングカーの場合は維持管理をするのが大変な傾向にある
チューニングカーとスーパーカーはどっちがコスパがいい?
現在販売されているフェラーリ・F8トリブートは720馬力、車重は1435kg。パワーウエイトレシオは1.99。ランボルギーニ・アヴェンタドールLP780-4 ULTIMAEは780馬力、車重は乾燥重量で1550kg。こちらは数値は乾燥重量なので、実際は100kgくらい重くなるはずだが、この数値で計算するとパワーウエイトレシオは1.99となる。どちらもとんでもない数値と言えよう。
対するチューニングカーは現在日本最速は「エスコート・ランサーエボリューションⅨ」で1100馬力、車重1152kgとパワーウエイトレシオは驚異の1.05。こちらは先述のスーパーカーたちを圧倒する数値となっている。
同車輌のタイムは筑波サーキットで49秒897をマークしてるほか、鈴鹿サーキットでは1分57秒035を記録している。多くのレースが行われている鈴鹿サーキットで比較すると、スーパー耐久シリーズのフェラーリ 488GT3が1分58秒748のレコードを持っているので、それとタイムで比較すると僅差でチューニングカーである「エスコート・ランサーエボリューションⅨ」の勝ちという状況だ。
そもそもスーパーカーのほうはGT3規格車両なので、ナンバーなしの完全レーシングカーでスリックタイヤでのタイム。エスコート・ランサーエボリューションⅨは市販Sタイヤでのタイムとなる点も注目だ。
こうなると、市販Sタイヤで先述のタイムを出していることから、圧倒的にチューニングカーのほうが速いといえよう。では、結論として「チューニングカーのほうが速い」と言い切れるかというと、フィールド次第といったところなので、じつはなんとも言えない。
チューニングカーは基本的に狙っているフィールドに合わせて作り込まれる。パワーもあればあっただけ速いわけではなく、いかにフィールドに合わせて使えるエンジン特性になっているかが重要だ。大きすぎるタービンはむしろ加速を鈍らせることも多く、あえて高回転よりも中回転を重視した小さめのタービンのほうが速かったりする。
そこに組み合わせるギヤ比も重要で、パワーバンドを外さない、かつシフトチェンジの回数が少なくなるギア比にすることがタイムに直結してくる。