この記事をまとめると
■純正マフラーのままでも高揚するようなサウンドを響かせるクルマを紹介
■最初からサウンドにこだわったマフラーを搭載するモデルもある
■V6エンジンを搭載する国産ミニバンのサウンドも高い評判を得ている
快音すぎて永遠に乗ってたいクルマたち
昭和から平成、令和へと時代が変わるにつれ、クルマが周囲に響かせる「音」はどんどん静かになってきました。電動化が進む近年はとくに、静粛性の高さが“いいクルマ”のひとつの指標のようにも語られる時代になっており、一部のスポーツ系モデルを除き、多くのモデルはマフラーサウンドが控えめになっていると感じます。
ただ一方で、トヨタの新型クラウンは音の大きさこそ控えめなものの、以前のように闇雲に静かさにこだわるのではなく、運転する気持ちよさを演出する上で「音」は大事なエッセンスのひとつだと考え、リニアな走りを感じてもらうための音は積極的に聴かせていこうという開発方針に転換したといいます。不快な音は消し、ドライバーや乗員の気分を高めるような音は残すというのは、クルマ好きにとっては嬉しいことだと感じました。
そこで今回は、スポーツ系モデルではないのに、気分が高揚するようなマフラーサウンドを聴かせる、印象に残るクルマたちをピックアップしてみたいと思います。
まず1台目は、ギャップ萌えという言葉がこれほどしっくりハマるのも珍しい、日産マーチのオーテック仕様であるマーチ ボレロ A30。これは2016年に、オーテックジャパンの創立30周年記念モデルとして限定30台が販売された希少なモデルですが、丸目ヘッドライトのキュートなマーチとはエクステリアからして一変。
ボディは約90mmのワイドトレッド化によってモリモリと膨らんだオーバーフェンダーで迫力がアップし、グリルは英国車のようにプレミアムな雰囲気になっています。専用デザインの鍛造削り出しアルミホイールが装着されて、足もともなんだかタダ者ではない感がすごいのです。
まぁでも、マーチだよねと思って走り出せば、エンジンは専用チューニングが施されたハイオク仕様となる1.6リッター直4エンジンで、なんとマフラーはフジツボ製の2本出し。そのサウンドときたら、低音からブオォォンとたくましく、どこまでも伸びていくのです。エンジン回転数がノーマルより1000rpmほど引き上げられていることもあり、音とともに気持ちよくブンまわして走れるコンパクトカーになっていたのでした。
2台目は、走りのいいワゴンとしてかつてはその名を世界中に轟かせていた、ホンダ・アコードワゴンの7代目モデル。もともと、初代からアメリカ市場やヨーロッパ市場でも人気があったアコードワゴンですが、2002年に登場した7代目モデルはデザインも走りも、原点回帰ともいえる変身を遂げていたモデルでした。
このアコードワゴンに搭載されていた2.4リッターのi-VTECユニットは、スポーティな走りが爽快だったほか、セダンに設定されていた2リッターのユーロRには6速MTが組み合わせられており、220馬力/8000rpmという高回転型ユニットを搭載していたのも、この7代目アコードの特徴でした。どちらも軽やかに吹き上がっていくエンジンとともに、決して大きくはないものの心地いいサウンドも響いてきて、ワゴンだということを忘れて走りを楽しんでしまうほどでした。