ドリキンが突き詰めた「足」と「空力」に評価高し! モデューロXだらけのミーティングで8人のオーナーを直撃した (2/2ページ)

モデューロXの乗り心地のよさに魅了されたオーナー多数

S660モデューロXバージョンZ
植松秀辞さん

 当日は10台が集結して、意外にも最多数派モデルとなったS660モデューロX。うち5台がソニックグレー&ワインレッドのソフトトップ仕様のバージョンZで、そのオーナーのひとり、植松秀辞さんが取材に応じてくれた。

「一昨年の3月に発表されたときにオーダーを入れて、納車まで7カ月待ちましたから、2021年10月から1年5カ月ほど乗っています。モデューロXを買おうという踏ん切りがついたのは、S660自体が終わると聞いたからです」

 それでも、敢えてモデューロXにしたかったのはなぜか?

「土屋(圭市)さんが開発していると聞いていましたから、ノーマルのエスロクも楽しく軽快でしたけど、それなら間違いないだろうと」

 実際に手に入れてからは、想像以上に乗り心地が良いことにびっくりしたという。

「不快な突き上げがないんです。ノーマルと直進安定性ごと違っていて高速道路を真っ直ぐ走るだけでも楽なんです。だから遠出にも向いていて、いちばん遠いところで木曽まで、オフ会で片道400kmほど走りました。これまでも旧ハチロクやサイズ感も近いカプチーノにも乗ってきましたが、FRとの大きな違いは、オンザレールの感覚ですね。走行距離は月1000㎞ぐらい、奥多摩によく出かけますがもう2万㎞ほど。元々、戦闘機っぽいものが好きだったので、ソニックグレーはひと目惚れです。もう1台の所有車もホンダ、ライフとダブル軽で過ごしています」

 これ以上ないほどに、好みにも生活にも合っているバージョンZのようだが、何か不満はないのだろうか?

「こういうクルマに乗る人ってコストは気にしないと思うので、折角ならマフラーなども専用であったらもっと良かったでしょうね」

N-ONEモデューロX
ODさん

 さらにはモデューロXのラインアップとして古株といえる軽ベースモデルのオーナーにも愛車を語ってもらった。「6年半乗っていますけど、その走りに飽きが来ないんですね」とコメントするのは、世田谷区でN-ONEモデューロXに乗るODさんだ。

「足まわりのセッティングが独自といわれますけど、ショックとスプリングだけじゃなく、ボディ剛性やストラットまわりの剛性ごと違いますね。エコタイヤでも走りが楽しめるところも気に入っています。新車からいまは走行距離3万2000㎞ほど。年間5000㎞弱ぐらいですね。このクルマに決めた理由は、その前は三菱i(アイ)に乗っていたんですが、もっとキビキビしたクルマを探していて、ホンダの公式サイトでまずノーマルのN-ONEを見ていました。そこからどうしてモデューロXになったかというと……、当初はまだ土屋さんが開発していることを知らなかったんですが、たまたま動画サイトで、ステップワゴンを群馬サイクルセンターで走らせているのを観たんです。そのあわせ技だったと思います。乗り心地はカッチリしていて、ややゴツゴツ感はありますけど、絶対にグラグラはせず、峠でも狙ったラインを走れるところが好きです。以前は長距離を走るとぐったりしていたけど、キビキビして面白いのと、エンジン音が疲れにくいから、楽しめるようになりました」

N-BOXモデューロX
鳥屋真之介さん

 一方で、川崎からのN-BOXモデューロXは、車高を少し落としたややヤンチャ方向。オーナーの鳥屋真之介さんは、ドリフト仕様のマークII(100型)との2台体制。N-BOXとの付き合いはじつに9年にもなるとか。

「ふりまわして遊ぶのはマークIIで、こちらは普段の街乗りに使っています。N-BOXはもともと数が多いので、モデューロXを選んだのは人と違った仕様を選びたいという点ですね。最上級グレードでもあるし、それにプラスして足まわりにも興味がありました。モデューロXのほうはしなやかでしっとりしている。でも年数も経ってきたから自分仕様にホイールも足まわりも替えちゃいました」

 とはいえ、元のモデューロXの乗り心地のイメージは残っていて、単なるダウン用のスプリングでは我慢できなかったのだそう。

「車高を少しだけ下げたくて、ダウンサスに換えただけでは乗り心地がガチャガチャしちゃったんです。だから見た目優先とはいえ、乗り心地も重視して、HKSの車高調キットとBBSホイールにしました。これが乗り心地と両立させる選択だったと思いますし、いまは走行距離9万5000㎞ですけど、まだ乗り続けますよ」

フィット・モデューロX
松田 明さん

 ベースがスモール・コンパクト車でも、しっとりとした乗り味に変えて乗り手を魅了するのは、フィットも同じだ。白いフィットe:HEVモデューロXがずらりと並んだ一角で、松田明さんが愛車について語ってくれた。

「このクルマは家族で買ったもので、61歳の父とぼくが半々で出資しています。もともと仕事でホンダアクセスさんのイベント関連の担当をしていて、試乗会があったときに、このフィットのモデューロX仕様が来ていて、見せてもらったことがあったんです。母も運転できてヴェゼルよりもコンパクトでとりまわしも見晴らしも乗降性もよく、試乗会のあとに買うことにしました。契約後に半年待って12月に納車され、2年と少々、家族で乗っています。レンタカーでガソリンやHEVのノーマルモデルにも乗りましたけど、モデューロXの方はふんわりよりしゃっきり感があって、直進安定性が優れていると感じます。父母が地元の新潟まで片道300㎞ほど往復することがよくあるのですが、これまでより圧倒的にラクだと。4色あるボディカラーのうちで白を選んだのは、この嵌め込みグリルが控えめながらモデューロXらしさだと思うのですが、濃色系だとわかりづらくなるので。内装も、父はボルドーのシートにしたかったのですが、そこはスポーティ過ぎない雰囲気にしたくて。母も味方してくれてブラックにしました」

ヴェゼル・モデューロX
林 浩治さん

 ところで半導体の供給問題の影響で、現行ヴェゼルのモデューロX版は残念ながら発売中止となったが、先代ヴェゼル・モデューロXのオーナーは意気軒昂。

「この型のヴェゼルは2台目でして、前期型のガソリンのSのあと、2020年1月からこのモデューロXに乗っています。もともと初代から最後までハイラックスサーフに乗っていたんです。ヴェゼルに替えてから、ディーラーのサービスの質の違いは感じていますよ。こっちの情熱が伝わると、何とかしようとつき合ってくれるんです」

 そう述べる林浩治さんは、自らの愛車に施した数々のDIYを含む赤の差し色アクセントを披露してくれた。遊び慣れたオーナーだけに、ディーラーに納車前にパーツを直接届けて、装着してもらったりもしたのだとか。自作キックプレートに始まり、ヤフオクで見つけた職人さんに作ってもらった赤ステッチのセンターコンソールカバー、天井に埋め込まれたサングラスケースは、なるほど、後付け感のない出来栄えだ。

「モデューロXの走りの良さは、開発したのが土屋さんですから。走りについては文句ないことはわかっていた上で、選びました。このクルマでキャンプにも行きますし、サーキットで遊びの耐久レースにも出ていますよ。もともと、いい足まわりですが、クスコの補強メンバーを追加してさらによく動くようになりました」

 林さんが参加する耐久レースは、1チームに数台・数人のドライバーでバトンを繋ぐ方式なのだとか。また、トランクには、キャンプ用の荷物を分けられるよう、2段棚収納を備えつけてある。まったく異なる遊びのいずれも欲張れるのは、ヴェゼルというベースは無論、モデューロXの仕上がりクオリティのなせる技ともいえる。

 モデューロXの発売10周年を記念して開催された今回のモーニングクルーズ。作り手の顔が見えるだけでなく、本音が込められたモデューロXだからこそ、リアルミーティングの場が心地よいざわめきとして盛り上がるということを感じさせてくれる1日となった。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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ランニング
好きな有名人
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