この令和の世にいまだ関所!? 電子マネー時代に現金のみ受付! インドで見た驚きの「税収」小屋

この記事をまとめると

■中国やロシアの一部地域では、料金を支払わらないと通れない関所的な場所が存在する

■インドでも同じような箇所があり、タクシーなどは規定の料金を警察官に払う必要がある

■踏み倒したり強引に突破するような雰囲気はなく、現地では日常的な光景なようだ

海外では道路に関所がある!?

 中国は立派な高速道路網がまさに縦横無尽に張り巡らされている。

 しかし、日本以上に高速道路料金が高いとのことで、場合によっては長距離トラック輸送などでは部分的に一般道路に降りて高速道路料金を節約すると聞いたことがある。ただそのような場合に、たとえば峠を抜けるような道で、省(日本の県のようなもの)のような行政区分の境目には、地元公安(公安は日本での警察)が私的に関所を設けており、そこで通行料を払わなければならないという都市伝説を聞いたことがある。

 私的通行料は、いま話題のロシアでも存在していた。空港からモスクワ市内へタクシーに乗っていると、ジャンクションの合流部分でタクシーがゼブラゾーンに停車した。ドライバーは車両登録書類(たくさんあるらしい)を持って、車両前方の交通警察官のところへ行き、お金を払っているような素振りが見えた。その成り行きを見ていると、タクシー狙い撃ちで私的通行料を徴収しているようであった。

 インドネシアでは夕方の渋滞時など時間限定で、警察のパトカーが料金を徴収して、側道を先導して料金を払った車両だけを走らせている光景を目にしたことがある。

 まあ、アジアなど新興国では主に私的なようだが、警察などが通行料を徴収するのは半ば“あるある状態”だと筆者は考えている。

 しかし、インドでは都市伝説ではなくTAX(税金)としてきちんと存在するのである。

 以前乗り合わせたチャータータクシー(ウーバーのないころ)のドライバーによると、デリー以外からデリー市内に入る営業車両のみが徴収されるとのこと。今回もショー(オートエキスポ2023/デリーオートエキスポ)会場からデリー市内に戻るときに関所を通ることとなった。

 関所は進行方向左側に設けられており、ライドシェアなど営業車両は関所が近くなるとだんだんクルマを左側に寄せていき、一般乗用車は右側へクルマを寄せていく。ただそこはインド、まごまごしていて左側の税金徴収コーナーにクルマを寄せられなかった車両用に右側、つまり道路中央にも税金徴収人がおり、しっかり税金を徴収していた。筆者は税金を徴収する人が同じ制服を着ているわけでもなくそれぞれ普段着で、手作り感満載の小屋があるだけの“関所”の様子から私的に徴収しているのかと思ったのだが、確認するとTAXとして公的に徴収していた。

 ドライバーとのやりとりを見ていると、関所を抜けるときには100ルピー(約160円)を払っているようであった。

 クレジットカードはインド以外の国で発行したカードが使えないことも多かったりするのだが、インド独自の“◯◯ペイ(QRコード決済)”みたいなものも普及しており、それなりにキャッシュレスも進んでいるのだが、現金決済以外は認めている様子はなかった。

 インドの物価を考えると100ルピーは通行料としては結構高めにも思えるが、インド警察はかなり怖いこともあるのか、みんなきちんと払っていた。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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