運転の妨げになるような行為は謹しむべき
続いて、助手席に乗っていただけなのに罪に問われる可能性のある違反は、スマホいじり。こちらも近年、罰則が強化された違反のひとつで、運転中に携帯電話を通話のために使用したり、携帯電話の画面に表示された情報を見続けたりする行為に対して、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金、交通事故など危険を生じさせた場合には1年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
同乗者に対して、直接の規制を設けているわけではありませんが、やはり場合によっては罪に問われる可能性があります。例えば、運転者が運転中にスマホをいじっているのを知っていながら黙認し、そのあげくに事故を起こして人を死傷させてしまったような場合に、犯罪を助けた行為として処罰される可能性があります。
さらに、スマホいじりだけでなく、ほかの違反においても、明らかに助手席の人に過失があると思われる行為が認められた場合には、罪に問われるかもしれません。たとえば、走行中に運転者と口論になり、助手席の人が暴力を振るったせいで事故を起こしたとか、ペットを抱っこして助手席に乗っていて、そのペットが運転手に飛びかかったせいで事故を起こした、といった場合です。
「助手席」という名称は、その昔は運転手と一緒に安全を確認し、速やかに走行できるようにする運転助手が乗っていたことに由来しているという説があります。そのことを頭のどこかに置きながら、運転の妨げになるような行為は謹んで、安全運転の助けになるように心がけて乗りたいものですね。