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インドのモーターショーもBEVの勢いが凄い! ただし先進国とは違う「電動化」の目的とは

インドのモーターショーもBEVの勢いが凄い! ただし先進国とは違う「電動化」の目的とは

この記事をまとめると

■偶数年に隔年で開催されていたデリーオートエキスポがコロナ禍により2023年に開催された

■CNGや水素、フレックスフューエル、FCEVなどが多く展示されていた

■海外でも日本のBEV車は遅れをとっていると感じざるを得ない展示内容であった

3年ぶりにデリーオートエキスポが開催!

 2023年1月11日より、インドの首都デリー市郊外グレーターノイダにある“インディア・エキスポマート”において、“AUTO EXPO2023(通称デリーオートエキスポ/以下同)”のプレスデーがスタートした。

 デリーオートエキスポはいつも“偶数年”の隔年開催となるのだが、新型コロナウイルス感染拡大により、2022年に開催できず,今回は変則的なスケジュールでの開催となった。

 筆者は新型コロナウイルスの全世界的なパンデミック直前の2020年2月に、前回開催となるデリーオートエキスポの会場を訪れたが、そのときはより厳しい環境規制に対応したICE(内燃エンジン)搭載車がショーの主役であった。そして、インド政府もBEV(バッテリー電気自動車)をメインとしたゼロエミッション車の普及に取り組むことを表明していたが、日常的に停電が頻発するなかでその動きに対し懐疑的な見方をするひとも多かった。

 しかし、今回のショーでの主役はBEVとなっていた。しかもそれだけではなく従来からインドでは広く普及していたCNGをはじめ、水素、フレックスフューエル、FCEV(燃料電池車)など、あらゆる環境負荷低減につながる動力搭載車が前面に押し出されていたことに驚かされた。

 乗用車はもちろんなのだが、トラックやバスなどの商用車でも積極的にBEVやFCEVが多数展示されていた。デリー首都圏では、庶民の足となるオート三輪車(リキシャ)について、2023年1月以降はディーゼルエンジン搭載車の新規登録を認めないこととし、2026年12月末までに段階的に使用禁止にすることを発表、インドの街の風景ともいえるリキシャはBEVもしくはCNGエンジン搭載車のみになるようだ(すでにほとんどCNG車でBEVも目立ってきている)。

 また、デリー市内を見渡せばBEV路線バスが運行しており、緑地の専用ナンバープレートをつけたBEVを日本より頻繁に目にすることができる。

 11日のプレスデー初日のプレスカンファレンストップは“マルチスズキ”であった。マルチスズキはプレスカンファレンスでクロスオーバーSUVタイプのBEV試作車を発表したが、すでに会場には中国系のMG(上海汽車)やBYDはじめ、韓国のヒョンデや起亜、地元インドのタタモータースがBEVの市販モデルを多数展示していた。残念なことに、インドでも日系メーカーのBEVをメインとしたゼロエミッション車のラインアップは後手にまわっているという印象が否めない様子に見えた。

 ただインド政府の様子を見ていると、“地球を救え”といった論調はもちろんあるのだろうが、それよりなにより世界的な都市部を中心とした深刻な大気汚染対策が優先となっているようにも見えるので、前述したようにCNGやフレックスフューエルなど、ICEをけっして“過去の遺物”のような目で見ているわけでもないようだ。それこそ早急に大気汚染をなんとかしたいという面が勝っていると強く感じた。

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