日本のBEVに対する出遅れを痛感
一般乗用車でもTATA製BEVをはじめ、韓国や中国系のBEVもよく見かけることができた。その頻度が東京より多いことにとにかく驚かされた。
現地滞在中も筆者の宿泊先の地域ではなかったが、知り合いの宿泊先のある地域では停電が頻発していたとするデリー市内。「BEVの普及よりも家庭向け電力供給の安定化を優先すべきではないか」との話もあるが、インドがZEV(ゼロエミッション車)普及を急いでいるかのように見えるのは、デリーなど大都市を中心とした深刻な大気汚染がある。
滞在中も月曜日から土曜日は「薄曇りなら晴天」というほどスモッグで太陽の光がさえぎられ、日曜日だけは朝から青空が拝めるというのが現状。マスクをして幹線道路脇を歩いていても喉の痛みを筆者は覚えた。
さらに、大気汚染とともに新興国が車両電動化に積極的な動きを見せる背景には、原油をはじめとしてエネルギー輸入量の抑制というものもある。当然これを進めるには、風力やあるいは原子力などによる発電設備の充実も進めなければならないだろう。
2020年に訪れた時にもZEVの普及という話は出ていたが、当時はまるでおとぎ話のように聞いていたが、今回訪れるとそのスピーディな実行力に目を見張ってしまった。
いまだにCNGどころかディーゼルエンジンバスばかりが走る日本と、明らかに日本よりBEVを見かけるデリー。日本の迷走ぶりを改めて痛感した。