この記事をまとめると
■2022年5月に導入されたサポカー限定免許だが、2022年11月までの取得者はたったの11人だった
■サポカー限定免許で運転できるサポカーの中には当代一流といわれるスポーツカーも含まれている
■スポーツカーをサポカー認定するくらいなら、スポカー免許の施行なんていかがでしょうか?
一流スポーツカーも認定されているサポートカー
サポートカー制度のニュースはそれなりに浸透しているかと思いますが、実際にサポカー限定免許を申請した方は噓か誠か、たったの11人だそうです。国をあげて施した制度にもかかわらず、この不人気は解せません。制度に不備があるとも思えませんし、また申請者にとってメリットがないわけでもありません。なのに、11人ぽっきり(笑)。
一方、サポカー限定免許を申請する方は絶望的なまでに少なくとも、サポカー認定を受けたクルマは日を追うごとに増しているようです。また、トヨタ・スープラや日産フェアレディZ、あるいはマツダ・ロードスターといった当代一流といわれるスポーツカーまでサポカーとなっているというのは、一考どころか百考くらいしたくなる状況ではないでしょうか。
そもそも、サポートカー制度というのは歳を取って運転技術に自信がなくなった、あるいは周囲から運転を差し控えるようすすめられた、といった方々が免許を返納するワンステップ前の「救済措置」というニュアンスかと。で、サポートカーというのは、「衝突被害軽減ブレーキ」や「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」等が装備されていて、運転に自信がない、周囲が「危ない」と認めている方々でも免許を返納することなく、安全に運転ができるクルマとされています。
はたして、そこにスポーツカー的な要素は必要かと問われれば「ナンセンス」としか答えようがありません。たとえば、歩道を走っている高齢者向け「シニアカー」。あの乗り物に「胸のすく加速感」や「剃刀のようなハンドリング」が不要なのと同じでしょう。
メーカーにしても、スポーツカーに安全デバイスをじゃんじゃん装備するのは、安全性能があがることで、より楽しく、かつ自信をもってスポーツドライブができるためであって、決してサポカー認定で売り上げが上がるなどとは微塵も考えていないはず。
いくらか勘ぐれば「戦車を自走砲と称してあたかも新製品かのように装う」のと近似して、「サポカー認定を受けた優れた商品」という販売戦略も考えられないではありません。が、それにしてもサポカー限定免許を申請した方が11人ではお話になりません。なにがしかの付加価値と捉えることもできなくはないものの、販売店からしたら「新春キャンペーン」や「乗り換え補助キャンペーン」のチラシ配ったほうがよっぽど効果があるのではないでしょうか。