エコモードとBレンジで回生による電力回収
次に、EVの駆動用バッテリーの充電量に不安が出たら、走行モードの選択ができるならエコモードに切り替え、無駄な電力消費を抑える。さらに、回生を強く効かせることのできるBレンジへDレンジから切り替える。こうすると、わずかな速度調節でも、アクセルを戻した際には積極的に発電し、バッテリーに充電することができる。
これらの手立ても、登り坂がずっと続く道路では効果が限られる。EVの一充電走行距離で気にすべきは、単に距離だけでなく、登り坂か下り坂かという高低差が重要になってくる。逆にいえば、バッテリーの充電残量が少なくなっても、その先に下り坂が続くのであれば走行距離を伸ばすことも不可能ではないのだ。
そのうえで、運転中に走行可能距離を心配し続けるのは不安だし面倒だ。たとえば軽EVの日産サクラは、バッテリー充電残量が残り20%を切ると警告表示が出され、最寄りの充電設備をカーナビゲーションで案内する仕組みになっている。20%というと5分の1の残量であり約4kWhほどだ。サクラの電力消費はWLTCで約8km/kWhだから、32kmほど走れることになる。その間には充電器がいくつも見つかるはずだ。無暗に充電を急ぐ必要はないが、充電残量の警告が出たら、最寄りの充電器で早めに充電すれば電欠の心配はない。
ガソリン残量が減るとランプで知らせるのと同じように、 EVも充電残量の警告は付いているし、ナビゲーションやスマートフォンのアプリケーションで充電器の場所を検索できるので、充電すること自体はそれほどの懸念材料ではない。昨今はガソリンスタンドも廃業が増え、ぎりぎりまで無理しないというのはエンジン車も同じなのだ。