左方優先にも条件あり! 信号がない交差点で他車と遭遇したとき優先はどのクルマ? (2/2ページ)

コミュニケーションも重要!

 東西南北にきれいに道が重なっている交差点に、AとBという2台の車両がそれぞれ西と南から進入する場合を想定してみよう。西から進入するAの方からは相手が右側から進入しているように見え、もう一方の、南から進入するBには相手が左側から進入してくるように見える。「左方優先」に従えば、このケースではAが優先される。

 あくまでも左方優先は直進車同士の優先順位のつけ方であり、左方の車両が右左折をする場合は直進車のほうが優先となるので、そこは間違えないようにしたい。

 ところで、道幅が同じ道路による交差点に、四方向から同時に進入してきたら、優先順位はどうなるのだろうか。

 どの車両を相手に見るかによって、すべてのクルマが左方優先を得ているともいえれば、逆に相手を優先させなければならない状況ともいえる。まさに八方塞がりならぬ「四方塞がり」状態になってしまう。

 こうしたケースでは、各ドライバーが身振り手振りでコミュニケーションをとって、お互いに譲り合うことでスムースに交差するようにしたい。

 法治国家は法に則った行動をすることで社会が成立するというのが基本だが、少なくとも道路や車両に関する法というのは安全を守るために存在しているといえる。事故を起こさず、円滑な交通とすることこそが、何よりも優先すると考えることもできる。

 余談めくが、このような状況において自動運転車はどのように振る舞うことが最適解になると判断するのだろうか。

 自動運転車同士であれば絶妙にタイミングをずらしてスムースな交差を実現することも可能だろうが、そこにマニュアル運転車が絡んでくるとそういうわけにはいかない。将来的にAIに運転を任せるには、こうした部分まで学習させておく必要がありそうだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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