この記事をまとめると
■大阪オートメッセ2023が開催された
■EVゾーンには広島のBEVスタートアップ・KGモーターズが出展
■1人乗り原付ミニカーBEV「ミニマム・モビリティ・コンセプト」を展示した
東京オートサロンとはまったく異なる仕様で登場!
2月10〜12日にインテックス大阪で開催された「第26回大阪オートメッセ2023」の6A号館奥で展開された「EVゾーン」には、広島のBEVスタートアップ・KGモーターズが出展。開発中の1人乗り原付ミニカーBEV「ミニマム・モビリティ・コンセプト」を出品した。
これは1月に千葉・幕張メッセで開催された東京オートサロンに続いてのことだが、今回のオートメッセに出品されたのは、その時とは見た目が大きく異なる仕様だった!
まず目を引くのは、ボディカラーが柔らかなクリーム色から、鮮やかなイエローに変更されたこと。そしてヘッドライトが、角目から丸目に変更されたことだ。その効果は絶大で、筆者が取材中のごく20分程度の間にも、道行く来場者の口々から「これめっちゃ可愛いやん」というポジティブな感想が何度も聞かれた。それも老若男女問わず。
しかしそれも、KGモーターズの楠一成社長にとっては、想定済みの反応だった模様。それでも初公開となるオートサロンに角目ライトにクリーム色の車体で出品したのは、「このクルマ本来のコンセプトをもっとも純粋に体現したデザインは角目のほうで、そちらを最初に披露したかった」のだという。
では、そのコンセプトとは何なのか。
一つは、ユーザーの利用実態に即し、航続距離100kmの1人乗り原付ミニカーBEVに割り切ることで、脱炭素社会の実現に寄与すること。
また一つは、全長×全幅×全高=2450×1090×1500mmの1人乗り超小型モビリティながら屋根もドアもエアコンもあり、従来の四輪車と同様の運転感覚で、いつでも快適に安心して走れること。
そしてもう一つは、軽自動車と競合せず、ランニングコストも抑えられる、100万円以内の車両本体価格と、車庫証明と車検が不要な1人乗り原付ミニカー規格に収めること。
とりわけ3つ目の、100万円以内の車両本体価格を実現するために生み出されたのが、この「ミニマム・モビリティ・コンセプト」最大の特徴と言える、前後/左右対称のクローズドボディ構造。それをもっとも色濃く体現したのが、ヘッドライトもテールライトもスクエアな形状の、オートサロンに出品された車両のデザインというわけだ。
とはいえ、今回のオートメッセに展示された黄色い丸目の「ミニマム・モビリティ・コンセプト」の掴みは非常に良く、この手のクルマではとくにハードルが高くなる「まず興味を持ってもらう」という第一の難関を余裕でクリアしていたと言える。
そして興味を持ち、「ミニマム・モビリティ・コンセプト」の中身をじっくりと見てみると、このクルマが徹頭徹尾合理的に設計されており、質感は細部まで高く、また1人乗り原付ミニカーながら一般的な四輪車と何ら変わらない操作感覚で運転できるだろうことが見えてくる。