今販売されている「クロス」がつくクルマは?
「クロス」が付く代表は、カテゴリーが中間的な車種になる。クラウンクロスオーバーは、ボディの後部に独立したトランクスペースを備えるセダンで、いわばセダンスタイルのSUVだ。これはクロスオーバーの典型で、SUVの外観と、セダンの高いボディ剛性や後席の静粛性を融合させた。
クロストレックは、先代型までは国内の名称がXVだった。これもインプレッサスポーツに、外装パーツを加えて最低地上高(路面とボディのもっとも低い部分との間隔)を200mmまで高めたクルマだった。中間的な印象が強く、クロスオーバーの表記がピッタリだ。
タントファンクロスも同様で、基本的な機能はタントと同じだが、主に外装パーツの装着によりファンクロスを名乗る。ちなみにタントがファンクロスを加えた背景には、タントの販売低迷があった。先代タントは、軽自動車ではN-BOXの次に多く売られたが(2014年はN-BOXを抜いて1位になっている)、現行型は2019年に登場したのに設計の古いスペーシアも抜けない。2020年と2021年の軽自動車販売は、N-BOXとスペーシアに次ぐ3位だった。
そこで2022年にファンクロスを設定すると堅調に売れ、タントは2位に浮上している。かつてはインプレッサも、XVの追加で売れ行きを保ったことがある。つまり、「クロス」は困った時の特効薬でもあるのだ。