今年もCESで注目車が続々公開! なぜ今自動車メーカーは「モーターショー」より「家電見本市」に力を入れるのか? (2/2ページ)

クルマの電動化が進むとさらにCESの存在感も増す

 そのほか、今年はやはり、量産型EVの発表が目立った。

 ステランティスは「ラムトラック」のEVバージョンをお披露目した。アメリカ市場の7割以上が、ライトトラック(ピックアップトラック及びSUV)で占められている現状では、フルサイズピックアップトラックのEV化は世の中に対する大きなインパクトになる。

 すでに、フォードはFシリーズにライトニング、またGMはシボレーシルバラードのEVバージョンを公開しており、今回のラムトラックEV登場によって、ピックアップトラック御三家のEV戦略が出揃った形だ。

 また、北米市場という観点で興味深いのはカナダの動きだ。

 カナダは、アメリカを中心にメキシコを含めたNAFTA(北米自由貿易協定)を結んでおり、自動車産業においてこれら3か国のつながりは極めて強い。そうした中で、北米での急激なEVシフトをにらみ、カナダ自動車部品工業会がカナダ国内で企画したEVコンセプトモデル「プロジェクトアロー」を公開した。

 欧州メーカーでは、BMWが「i Vision Dee」を発表。ボディの色やパターンが電子制御によって多彩に変化するデザインコンセプトモデルである。

 また、メルセデス・ベンツはネバダ州とカリフォルニア州で、自動運転レベル3を行う申請を出したことを明らかにした。レベル2までが運転の主体がドライバーであるのに対して、レベル3は運転の主体がクルマのシステムとなる。その上で、システムが自動運転の継続が難しいと判断した時点でドライバーに運転の復帰を求めるタイプの自動運転である。

 日本では、ホンダがレジェンドで「ホンダセンシングエリート」を搭載し世界初の量産型レベル3を実現したほか、メルセデス・ベンツもドイツで「EQS」に搭載している。

 今後も、CESを活用して世界に向けて最新技術を発表する自動車メーカーや自動車部品メーカーが増えていくことだろう。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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