この記事をまとめると
■価格の高騰やそもそもの絶対数の少なさからなかなか乗ることができなくなったクルマがある
■今回はそんなクルマのなかから小鮒康一さんが実際に乗っていたクルマを紹介
■ここに登場する3台はかつて気軽に乗れるプライスだったがいまでは価格が高騰している
奇しくもセレクトしたのはFR・FF・4WDの名車だった
いまではすっかり台数が減ってしまったり、価格が高騰してしまったりと気軽に乗ることができなくなってしまった車種も少なくないが、今回は筆者が過去に所有していた車種のなかから、当時乗ることができてよかったと感じているモデルを独断と偏見でご紹介したい。
AE86 スプリンタートレノ
頭文字Dブームの影響はもちろん、現在ではクラシックカーとしての価値もプラスされて高値安定となっているAE86。いまや貴重なコンパクトFRではあるものの、いまの価格帯では購入するのも勇気がいるといえるだろう。
一方、筆者が購入したのは頭文字Dブームが来るわずかに前で、車検2年付きで40万円くらいの車両だった。本当は2ドアレビンが欲しかったが、当時は一番人気の仕様だったため、予算の都合で一番不人気だった3ドアトレノに落ち着いたのもいまでは考えられないかもしれない。
当時でも格安物件の部類に入る個体だったため、すでにボディ下部にサビが発生しているような状態ではあったものの、メカはそこまで不調もなく、FRらしい走りを安価で楽しめたのは良い思い出だ。
ホンダ シビックタイプR(EK9)
いまでは状態の良い車両は新車価格を超えるプライスタグが付けられていることもある初代シビックタイプR。しかし、筆者はモデル末期の2000年にお買い得仕様の「タイプR・X」を新車で購入することができた。
このタイプR・Xは、タイプRにCDプレーヤー+4スピーカーやキーレス、パワーウインドウ、エアコンなどのオプション装備を標準として219.8万円とした、まさにお買い得なもの。もちろん9000回転を許容するB16B型エンジンやレカロシートなどタイプRの装備はそのままとなっていた。
この名機と呼べるB16Bを新車で味わうことができたというのは何事にも代えがたい経験ではあるが、その刺激的すぎるフィーリングに自制心を保てる自信がなくなり、早々に手放してしまったのはいま考えればもったいないことをしたと後悔している。
三菱 ランサーエボリューション(初代)
基本的にコンパクトで小排気量なクルマを好んで乗り継いできた筆者だが、歴代の愛車でもっともハイパワーなモデルが250馬力を発生する初代ランサーエボリューションだった。
当時、雪国に住んでいた筆者が、4WD車に乗ってみたいという理由でネットオークション経由で格安で入手した1台だったため、実際にはカタログ値以下のパワーだったかもしれないが、それまでのクルマに比べて圧倒的にパワフルなエンジンとグイグイ前に進む4WDのトラクションには感動するほかなかった。
初代ランエボは曲がらないと評されることも多かったが、圧雪路などでは弱アンダーの特性の方が操りやすく、意図的にリヤを振り出せばオーバーステアに持ち込むこともできたため、さすがはラリーウェポンと感動した記憶がいまでも蘇るほどである。