この記事をまとめると
■自動車メーカーが積極的に展開しているサブスクリプションサービス
■利用期間を終えた車両はどうなるのか?
■トヨタの販売店によるとKINTO・ONE中古車などに使用されるという
利用期間を終えたクルマはどこへ行く?
最近はサブスクリプション(定額制)によるカーリースが人気を高めた。とくにトヨタはKINTOの名称で力を入れており、各種の条件を設けない任意保険を利用料金に含めている。たとえば契約者の未成年の子供がKINTOの車両でドライブに出かけ、同じく未成年の友人に運転を交代した時、交通事故の加害者になっても任意保険を使用できる。
このような年齢やドライバーの条件を設けない任意保険は、保険料が高い。対人/対物賠償が無制限、人身傷害補償は5000万円で、車両保険も付帯すると、条件を設けない任意保険料は1年間に20〜30万円に達する。1カ月に2万円前後の負担だ。KINTOは若年層の高額な任意保険料を利用料金に含め、割安に負担することで、若いユーザーの獲得を狙っている。
そこで気になるのが、KINTOの利用期間を終えた車両の行方だ。KINTOでは、利用期間を終えた車両をユーザーが買い取ることはできず、必ず返却する仕組みになっている。純粋にクルマを借りて使うサービスだ。
※写真はイメージ
KINTOとKINTO Unlimitedを扱うトヨタの販売店によると、「車両は基本的にKINTOに戻され、KINTO・ONE中古車などに使用される」という。KINTOで新車として貸与された車両を、改めて中古車版のKINTOとして再利用するわけだ。
そして「KINTO・ONE中古車」には、24カ月のコースが設定され、すべて解約金フリープランになっている。従って月額利用料金に加えて申込金も必要だ。
※写真はイメージ
例えばKINTO・ONE中古車で、2021年式ヤリスハイブリッドZ(走行距離は9050km)を契約すると、月額利用料金が5万5000円で、申込金は33万円(2年分)だ。申込金まで含めた1カ月当たりの利用料金は6万8750円になる。
一方、KINTOによって新車でヤリスハイブリッドZを3年契約すると、初期費用フリープランであれば月額利用料金は5万3130円だ。解約金フリープランでは、月額利用料金が4万7190円で、申込金が26万6970円になる。申込金まで含めた1カ月当たりの利用料金は5万4606円だ。
新車のKINTOは3年契約、中古車は2年という違いはあるが、新車を使える満足度と利用料金を考えると、KINTOは新車がトクになる。今後、KINTOのリース期間を終えた車両が増えると料金体系が変わる可能性もあるが、現時点でKINTOを使うなら、新車の推奨度が高い。