この記事をまとめると
■クラクションを鳴らさないと違法になることがある
■道路交通法第54条「警音器の使用等」に記載される内容を解説
■「警音器吹鳴義務違反」は、違反点数1点、反則金6000円(普通車)
「警笛鳴らせ」の標識がある区間では必須
クラクション(ホーン)を鳴らすのは、危険防止のやむを得ないケース以外、基本的に禁止というのはご存じだろうか?
道を譲ってもらったときのサンキュークラクションや、信号が青に変わっても動き出さないクルマに発進を促すクラクション、知人に会ったときや別れの挨拶としてのクラクションなども、すべて道路交通法の「警音器使用制限違反」にあたり、警察官に咎められると、車両を問わず3000円の反則金が科せられることになっている(違反点数はなし)。
一方で、反対にクラクションを鳴らさないと違法になる場面もある。
道路交通法第54条「警音器の使用等」には、
「車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき」
と記されている。
つまり以下の
・左右の見とおしのきかない交差点
・見とおしのきかない上り坂の頂上で「警笛鳴らせ」の標識がある場所
・山間部や曲がりくねった道路の「警笛鳴らせ」の標識がある区間内で、左右の見とおしのきかない交差点
・見とおしのきかない曲がり角、上り坂の頂上を通過するとき
では、「クラクションを鳴らしてもいい」ではなく、「クラクションを鳴らさなければいけない」ことになっているというわけだ。
もし、これらの使用すべき場面でクラクションを使用しなかった場合、「警音器吹鳴義務違反」を問われ、違反点数:1点、反則金:6000円(普通車)が課せられる。
ちなみに、上記の指定された場所以外で、危険防止のやむを得ないケースを除いてクラクションを使用した場合、「警音器使用制限違反」になり、違反点数:無し、反則金:3000円のペナルティだ。
ここで注目して欲しいのは、「使用してはいけない場所で使用した場合」よりも「使用しなければならない場所で鳴らさなかった場合」のほうが、罪が重いという事実。
「警笛鳴らせ」の標識がある区間では、鳴っても鳴らさなくてもいいのではなく、“危険を回避するため”、積極的にクラクションを鳴らさなくてはいけないということを覚えておいて欲しい。
また付け加えると、道路交通法第54条には、「自転車以外の軽車両を除く」とあるので、「警笛鳴らせ」の標識がある区間では、クルマだけでなく自転車も警音器=ベルを鳴らす義務がある。
自転車の場合、ベルを鳴らし忘れても、さすがにキップを切られることは稀だろうが、クルマを運転するときは、「警笛鳴らせ」の標識を見落として、つまらない違反をとられないよう気をつけよう。