インドではやっぱりマルチ・スズキが強い
次は、東京から約5800kmのインドはニューデリーに飛んでみる。
すると、そこには、言わずと知れた「マルチ・スズキ」ワールドが拡がっている。
マルチ・スズキは、インド政府が1980年代に始めた、いわゆる国民車構想に対してスズキが全面的に協力して設立された自動車メーカーだ。
80年代から90年代は、日本で人気の軽自動車「アルト」をベースとして排気量を拡大したモデルなどが、まさに国民車としてインド全土に普及していった。
2000年代に入ると、経済新興国BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ等)と称されるようになるほど、インド経済の成長が著しくなる。
それに伴い、インドでの自動車購買力も上がり、マルチ・スズキのラインアップもインド市場に特化していた形から、インドから欧州向けの輸出を行うモデルとの共通性も高くなってきた。
また、インドでも欧州、アメリカ、日本と同様にSUVシフトが進んでおり、小型SUVのラインアップを拡充している。また、南アジアや東南アジアで人気の高い小型3列ミニバン(MPV:マルチ・パーバス・ヴィークル)の人気も根強い。
今後も、スズキはインドでの製造拠点を拡充し、そのなかではトヨタとの協業によるEVも含まれている。
このように、クルマという視点で世界を眺めると、日本とは違う風景が見えてくる。