この記事をまとめると
■大阪オートメッセ2023RSパンテーラのブースに展示されていたRX-7のデモカーが凄い
■NA3ローター化しながらエンジンの先端側の搭載位置は2ローターのノーマル車と同一
■これだけイジりながらエアコンもパワステも使えるナンバー付き車両
より重心がセンター寄りになってコーナリングマシン化が加速!
ロータリーエンジンでパワーを追求していくと、マルチローターにたどり着く。マツダもルマン24時間レースにチャレンジしていたころ、MAZDA757で3ローター、767で4ローター、総合優勝を果たした787も4ローターだったし、GT選手権に出場していたRE雨宮のマシンも3ローターだった。
2ローターから3ローターにすれば、単純に50%の性能アップが図れるわけだが、スペースの問題、重量バランスの問題、強度の問題、制御の問題などいろいろあって、RX-7のチューニングカーを3ローター化するのは容易ではないともいわれてきたが……。
静岡県のRSパンテーラは、そのメニュー化を実現した数少ないショップで、大阪オートメッセ2023にも、NA3ローター化したFD3Sをデモカーとして持ち込んでいた。
このマシンで特筆できるのは、エンジンの先端側の搭載位置を、ノーマルのFDと同一に仕上げていること。
エンジンの先端が13Bの搭載位置と同じなので、20Bの3番目のローターはフロアトンネルのなかに潜り込むようなレイアウトに。
それを可能にする、オリジナルのインマニキットを製作することで、3ローター化してもフロントヘビーにはならず、むしろ前後の重量バランスがややリヤ寄りになり、フロントミッドシップというより、普通のミッドシップマシンのような、コーナリングマシンに進化しており、なおかつハイパワーでトラクションがよくかかる痛快な究極のFD3Sに仕上がっている。
ローターエンジンは燃焼温度が高く、熱的に苦しいのでルマンでもターボではなく、NAのマルチローターで戦った経緯があるが、このRSパンテーラの3ローターFDもNAなので熱量には余裕があり、真夏のFSWでもずっと全開で周回し続けられるという。
また、エンジンの搭載位置を工夫したことで、エアコン、パワステの使用も可能。保安基準もクリアしていて、ナンバーもついているし、基本的にストリート仕様としてまとめられている。
ちなみにRSパンテーラでは、これまでに10台の3ローター仕様のFD3Sを作っているので、ノウハウも非常に豊富だ。
またRSパンテーラでは自社でNC工作機械「マシニングセンタ」を所有し、外注に出さず高精度な3Dマシニング加工も行なっている。
ポート加工はもちろん、低圧縮ローター、エキセントリックシャフトの軽量化など、チューニングショップの枠組みを超えた各種エンジン加工も得意としていて、そうしたオリジナルの加工パーツも数多く展示されていた。