コロナ禍が落ち着いてもアウトドアブームに陰りなし
そこで、聞いた冒頭の「どうやら、レジャーがコロナ前の普通のレジャーに戻ってきているみたいだ……」のお話。
事実、大手旅行会社の旅行需要予測では、1泊以上の国内旅行に出かける人は延べ2億6600万人と去年より8.6%増えて、新型コロナの感染拡大前の2019年と比べても91.2%まで回復するとの見込み。旅行代金の割り引きを受けられる「全国旅行支援」の効果などで、旅行への意欲が高まったようだ。
一方で、海外旅行に出かける人は840万人と去年の3倍近くまで増えるものの、コロナ禍前の2019年との比較では、円安の影響か? 40%程度にとどまるとの見込みで、海外旅行はまだこれから感があるが、国内旅行では、ほぼ「コロナ前」に戻りつつあり、前述の「普通のレジャーに戻ってきている」説を裏付けることにもなりそうだ。
では、「車中泊やキャンプ」はどうなるのか? 少なくとも現時点では、キャンプ人気とキャンピングカー人気には陰りはないようだ。
2月3日から開催された「ジャパンキャンピングカーショー2023」も大いに賑わい、その入場者数も、4日(土)に限って言えば、前年比で約2.3倍との速報があった。RVパークなどの車中泊施設も順調に増えている。
しかしながら、キャンプブームで、どこもかしこも数が増えたキャンプ場などの施設に「勝ち組・負け組」ができるかもしれない。つまり、人気のあるところは引き続き、予約が取れない状況となるが、「普通のレジャーに戻った分」不人気のところには人が行かなくなる可能性が出てくる恐れがある。
コロナを契機に、「仕方なくキャンプ」といった層と、新しくキャンプやアウトドアに目覚めた層とに分かれ、今後、前者は普通のレジャーに戻り、後者はコロナに関係なく今後もキャンプなどのアウトドアレジャーを継続すると推測される。
同様にキャンピングカーも、人気車種は納車まで2年という状況から、いよいよ納車となった頃には「熱が冷めて」こんなはずではなかったとなるか、納車されたキャンピングカーで嬉々として出かけ、クルマ旅が増加して市場がさらに活気づく……のふたつの流れに別れるかもしれない。
いずれにしても、コロナでアウトドアやキャンピングカーの新しい世界を知った層が、コロナ前の状況に戻ったとしても、引き続き、その世界に飽きることなく定着し拡大するための施策、たとえば、持続可能な地域活性化を目指した「SDGsキャンプ」などのイベント企画が必要だと思われる。