この記事をまとめると
■フリードはホンダのコンパクトミニバン
■2022年もっとも売れた3列シートミニバンだ
■人気の理由を販売店に聞いた
前期型から後期型への乗り替えも多い
2022年の国内販売ランキングを振り返ると、3列シートミニバンの販売1位はホンダ・フリードだった。2位はシエンタ、3位はアルファードと続く。フリードの発売は2016年だから、約6年を経過しながらミニバンのナンバーワンになっている。
ちなみにホンダでは、2022年5月にステップワゴンがフルモデルチェンジを行った。注目度の高い新型ミニバンだが、発売直後に当たる2022年7〜12月の1カ月平均登録台数は約4260台だ。フリードは同じ期間に1カ月で約6000台を登録しており、新型車となるステップワゴンの売れ行きを上まわった。
一方、ライバル車のシエンタは、2022年8月23日に新型にフルモデルチェンジした。8月までの登録台数は先代型によるものだ。そこで新型になった2022年9〜12月の1カ月平均登録台数を割り出すと約9500台になる。フリードは同じ期間に限ると1カ月平均が約6300台だから、シエンタの約9500台には達しない。
しかしそれでもフリードが発売から6年を経過することを踏まえると売れ行きは好調だ。2020年に発売されたフィットよりも多く登録され、ホンダの国内販売ランキングはN-BOXに次ぐ2位になる。ホンダを支える大切な基幹車種だ。
そこでなぜフリードが根強い人気を得ているのか、販売店に尋ねると以下のように返答された。
「フリードは5ナンバーサイズのミニバンで、混雑した街なかでも運転しやすい。そこで現行フリードの前期型から、今売られている後期型に乗り替えるお客様も多い。またステップワゴンが新型になり、ボディを拡大させて、3ナンバー専用車になった。そのために車庫の広さなどを考慮して、従来型のステップワゴンからフリードに乗り替えるお客様も増えている」。
フリードやステップワゴン以外からの乗り替えはどうか。
「コンパクトカーのフィット、SUVのヴェゼルを使っていたお客様に孫ができて、改めてミニバンを買われることもある。ただしフィットからステップワゴンにアップサイジングすると、運転が難しくなるから、フリードがちょうど良い」。
以上のようにフリードは、さまざまなユーザーが購入しやすいミニバンになっている。
また2022年に国内で販売されたホンダ車の内、36%をN-BOXが占めた。そこにN-WGNなどの軽自動車も加えると50%を上まわり、コンパクトなフリード+フィット+ヴェゼルも含めれば80%に達する。
そのために最近はホンダのブランドイメージがコンパクト化され、実用指向も強めた。ホンダでは小さくて背の高い価格の割安な車種が注目され、ホンダの国内最多販売車種はN-BOX、2位はフリードになっている。
それからフリードの売れ行きには、納期も関係している。販売店によると「ステップワゴンは納期が1年に達するが、フリードであれば2〜4カ月で納車できる」という。フリードの納期はシエンタと比べても短く、選びやすいクルマになっている。