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ファン騒然! 賛否両論巻き起こる「ロータス・ヨーロッパ」改め「バスタブ・ヨーロッパ」の正体とは?

ファン騒然! 賛否両論巻き起こる「ロータス・ヨーロッパ」改め「バスタブ・ヨーロッパ」の正体とは?

この記事をまとめると

■大阪オートメッセの会場でロータス・ヨーロッパを発見

■TK-SPORTSの手による「バスタブ・ヨーロッパ」と呼ばれるクルマ

■エキシージ240カップカーをベースにロータス・ヨーロッパをオマージュしたFRPボディを載せている

エキシージ240カップでヨーロッパの佇まいを実現!

 羽曳野市のロータス・スペシャリスト、TK-SPORTSが大阪オートメッセで公開した「バスタブ・ヨーロッパ」。エキシージ240カップカーをベース車両に、アルミ接着によるバスタブ・シャシーに往年のロータス・ヨーロッパをオマージュしたFRPボディを載せたことで、「いいじゃん!」的な賛美の声と「ありえねー」という否定派まで、クルマ好きを真っ二つにしているのはご存じのとおり。TKSの久保貴弘代表に、賛否かまびすしい諸意見について、尋ねてみた。

「もちろん否定的な意見にも賛成のものと同じく、目を通していますよ。アンチが生まれるほど知ってもらえたことはまずまずですし、おかげで個人のお客さんから沢山のオーダーも、ディーラーの店舗での展示のお誘いもいただいています。いずれ最初から忠実にヨーロッパを再現することを目指したわけじゃないので、そこを納得して楽しんでもらえれば何より。逆にそこを責められても正直、屁とも思いませんわ(苦笑)」

 無論、久保さんはサーキットの狼をリアルタイムで経験した世代で、だからこそロータス道にハマり、ヨーロッパに愛着を抱き続けている。

 とはいえエキシージのフロントウインドウはヨーロッパという昔のクルマと違って広く湾曲している。そこは当然難しいところと最初から分かっていたそうだが、それでもヨーロッパの雰囲気をエキシージ240に移し替えてまで、コンプリートのボディを製作したいと思ったきっかけは、何だろう?

「やっぱり昔のロータスって軽くて走ったら面白いですけど、ヨーロッパなんかはバックボーンフレームなもので、還暦過ぎて熟年にもなってくると、公道で乗るにはちょっと……と考えさせられるんです。それに乗り降りもドア開口部の天地が狭いから大変でね。でもロータスには乗り続けたい、あの雰囲気を大事にしたい。どうしてもエミーラのような新車の方向とは好みが逆だからね。すると安全快適に好きなロータスに乗れる方法は、バスタブ・シャシーに懐かしいロータスの雰囲気を載せてやることなんですよ」

 ヨーロッパがベース車両となる240カップと同じミッドシップだったことが、むしろ渡りに船だった。

「エスプリも理屈としてはアリやったけど、やらんと思います」

 ミニチュアカーでも、実車を正確に1/12や1/18や1/43にスケールダウンしたところで、強調やデフォルメするポイントがないと、それらしくは見えない。実車から実車とはいえ外寸のスケール感がそもそも違って、元よりトレッドもホイールベースも異なるエキシージ240カップでヨーロッパの佇まいを実現するには、ボディワークのエキスパートの腕が必要だった。かくしてバスタブ・ヨーロッパのボディは、カスタムビルダーとして有名なガレージイル代表、松浦彰氏の手に委ねられた。

「デザインのスケッチを起こすのはもちろんですが、ヨーロッパの時代はクレイモデルを手で削り込んでいたようなやり方だったじゃないですか。ただフィッティングが合えばいいんじゃなく、造形に職人の手のタッチというか温もりが込もるように、手作業で作ってもらったサーフェスなんです。それがロータス・ヨーロッパというオリジナルに対する礼儀だと思っています」

 シャシーに載せては、外観のバランスをとり、作り直すという果てしない作業を重ねた。かくして往年の47GTを彷彿させる、低く薄いノーズにハイデッキという、確かにヨーロッパに通じるシルエットに仕上がった。ラッピングシートによるマットな、しかしゴールドのストライプの入れ方に、長年ロータスを扱ってきたスペシャリストならではのセンスのよさも感じられる。

 ちなみにシートはカップカー用のガチのレーシングバケットではなく、ノーマル・エキシージの快適志向、ロード用の標準シートとなっている。リヤデッキのLOTUSというレタリングも、サイドマーカーもリヤコンビランプも、オリジナルのヨーロッパと同じものを用いている。

「じつは私自身は、そんなにヨーロッパの古いパーツを付けなくてもいいかと思っていたぐらいなんです。レタリングとトランクのキーケースは店の在庫から、リヤコンビランプとかサイドマーカーは英国から取り寄せたのかな。そもそも自分を含む熟年層が、快適かつ安全に楽しめるロータスというのがコンセプトですから」

 要は、カッコいいと思えるカタチのロータスに、乗りたいだけ乗れてナンボ。

「そもそもヨーロッパにはオープンもタルガもありえませんからね。じつは今回、間に合わなかったんですが、開閉式のタルガトップも考えています。乗り込む際は持ち上げて、乗り込んだらラッチで閉めて固定できるようなイメージ。さらに乗り降りしやすく、雨にも対応できますから」

 ロータスらしいライトウエイトスポーツとしての切れ味も、ヒストリック・ロータスならではのヴィンテージな佇まいも、いずれも大事にしながら、毎日でも接したい。そんな欲張りなロータス愛を全うするためのカスタマイズなのだ。

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