グレードによってドライブモードのスイッチが異なる
トリビアその2として説明するのは、サンルーフ付きプリウスの車内の静粛性について。筆者は新型プリウスZグレードのサンルーフ付きとサンルーフなしの車両に試乗している。で、試乗前の説明で、開発陣からいくつか新型の進化についてのお話を伺ったのだが、最後に静粛性の向上が挙げられた。遮音、防音性のUPであり、とくに先代のウィークポイントだったロードノイズの遮断にはとくに力を入れたそうだ。
ところが、試乗1台目のZグレードのFFを公道で走らせると、荒れた路面では車内のザワザワしたノイズがけっこう気になったのだ。新型プリウスはEV走行をする機会も多く、パワーユニットからのノイズは、ハイブリッドシステムからの音はともかくとして、ないに等しいはず。ゆえに、エンジンがかかっていない状態だとロードノイズがことさら目立ってしまうのだが、とにかく、アレレ……というぐらい、車内にザワついたノイズが発生していたのである。が、次に乗ったZグレードの4WDだとそうしたザワザワしたノイズがほとんど感じられない。初期モデルの個体差なのか、FFとそれより総重量で60kg重く、リヤモーター部分で33kg重い4WDシステムが、乗り心地を含め(よりマイルドで重厚、上質になる)いい方向に作用しているのか?
その印象を開発陣に投げかけてみると、「それもあるにはありますが、むしろサンルーフの有無が原因かも知れません」という答え。ロードノイズが車体を通して下から上に回り込み、最終的にサンルーフから入ってくることを否定できないという。よって、サンルーフを希望する人は、同駆動方式のサンルーフあり、なしの両車両を試乗することをお薦めしたい。そこでサンルーフ付きでもザワついたノイズが気にならなければ問題ない。サンルーフ付き車両のザワザワ感が、今回の試乗車だけの症状であることもまた、否定できないからである。※今後、別車両のZグレード、FF、サンルーフ付きで確認予定。
トリビア3は、ドライブモードについて。通常販売されるZ、Gグレードは、エコ/ノーマル/スポ―ツ/カスタムの4モード。一方、サブスクのUグレードはエコ/ノーマル/パワーの3モードとなる。そのぐらいはカタログを見ればわかるのだが、大きな違いはまず、スイッチ。Z、Gグレードはシフターの手前にあり、しかしスイッチが小さく、パネルから頭を出していないフラット設計。筆者の指先はそれほど太くないのだが、操作しやすいとは言い難かった。寒冷地で手袋をしていたら、操作は難しいかも知れない。
で、Uグレードはと言えば、プッシュボタン式。操作性ではこちらのほうがはるかにいいのである。
ただし、Z、Gグレードのスポーツモードは、Uグレードのパワーモードにないステアリング制御が加わり、パワーステアリングの重さが増し、スポーティな走りに応えてくれる。
今回の新型プリウスのトリビアPART.1はここまで。PART.2では、サブスクのKINTO専用車の意外な成り立ち、ハイブリッド車とPHEVの違い、新旧PHEV(PHV)の違い、ラゲッジスペースなどについてのトリビアを紹介したい。