ヨーロッパの走り屋仕様のゴルフ2! と思ったらなんと神戸愛ビンビンの「神戸仕様」だった

この記事をまとめると

■現在、大阪オートメッセ2023が開催されている

■この記事ではVWゴルフ2 GTIのカスタムカーに注目

■西宮のカスタムショップ「ニューイング」の展示車両だ

地元愛が溢れるカスタム!

 レトロモッドやヤングタイマーをベースにしたカスタムはすっかり定着。大阪オートサロン2023でお手本のような正統派のニュルブルクリンク・スタイル、つまりニュルに通いつめているドイツやベルギーの走り屋たちのユーロ・ホットハッチのカスタムを見せてくれたのが、西宮のカスタムショップ「ニューイング」だ。

 何が異彩を放っていたかといえば、このVWゴルフ2 GTIのヴィンテージ感。外観は限りなくノーマルに近く、明らかに変わっているところといえば、本来は長かったはずのアンテナがショートアンテナに置き換えられているところ。フロントバンパーの下奥からまわり込むようにフロントフェンダーへ繋がる滑らかな作りはなかなか滋味深い。

 ウレタンプラスチックのオーバーフェンダーなども純正のままで、窓枠のストリップ同様、あえて黒光りさせ過ぎずに年相応の雰囲気を出しているという。まだ水性塗料ではなくラッカー塗料の時代とはいえ、美しく保たれた深い艶のブラックボディに、BBSのメッシュホイールが絶妙に映える。全体として、まるで磨き上げた紳士靴のような貫禄なのだ。ちなみにBBSホイールはリム打ち替え済みのリバレル物件だ。

 ところでニューイングはインテリアを得意とするカスタムショップなので、シートや内装の張替え交換はお手のもの。というわけでこのゴルフGTIカスタムの要も、華やかなインテリアにある。ゴルフGTIといえばタータンチェック柄のコンビシートだが、さすがはスペシャリスト、今回のデモカーは地元・神戸が5年前の開港150周年を記念して採用した「神戸タータン」をあしらっているのだ。

 素材自体はPVCビニール生地で、海の青、神戸大橋やポートタワーの赤、六甲山の緑や、神戸の街を象徴する白亜の街並みにちなんだタータンチェックがプリントされており、ローカルな特徴を堂々と打ち出すニュル・スタイルと見事に韻を踏んでいる。5速MTのウッドのシフトノブといい、神戸らしい小ギレイな異国情緒が漂う室内といえる。

 走りはもちろんアツいけど、ちゃんと5人乗れて荷物も積めるという、ハッチバックとしての実用性がまったく失われていないのが、ホットハッチの美点。というわけで助手席や後席の乗員のために、シート生地と同じクッションも用意されていた。こういう「おそろの」アイテムでコーディネイトって、確かに80年代の流行だったっけ。このホットハッチのお洒落さは、これで終わらない。ドアを開いて初めて見えるところだが、なんとフロアマットも神戸タータン!

 トドメにシートベルトを装着しようとシュルシュルっと伸ばしていくと、リボンテープのようにベルトの上に記されたニューイングのロゴが、最後に目に飛び込んでくるという、エンディングロールのようなお洒落っぷり。もう六甲山でも神戸ビーフでもどこへでも連れてって! そんな粋と地元愛があふれるホットハッチなのだ。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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