この記事をまとめると
■大阪オートメッセの日本工科大学校のブースで気になる一台を発見
■レトロな雰囲気を纏うデッキバンはハイエースがベース
■学生たちが「あったらいいな」を具現化させたクルマ
トヨペットルートトラックがモチーフ!
大阪オートメッセの会場でレトロな雰囲気のデッキバンを発見。「こんなサイズのデッキバンあったっけ?」と思いましたが、こちらは日本工科大学校の学生たちが手掛けたハイエースベースのカスタマイズカーです。学生たちのアイデアで「あったらいいな」「ほしいな」を具現化したハイエースの秘密を聞いてみました。
技術を磨くためにモチーフ車両を決定
ハイエースをベースにするにあたり、どんな方向性でカスタムをしていくかが話し合われたそうです。そのなかで新型車のような未来的な雰囲気にするか、レトロな雰囲気でいくかを決める時に、「ハイエースサイズのデッキバンがあったらいいよね」それならば「レトロな雰囲気のほうが欲しくなる」そんな話し合いになり、レトロな雰囲気のデッキバンという方向性に決まったそうです。
フロントフェイスはアルミ1枚で製作
レトロな方向性で行く、そう決まった時にモチーフとされたのが1958年に販売されていたトヨペットルートトラックです。技術を磨くためには製作途中で都合よく切り替えることができるオリジナルよりも、明確なマネをする目標があったほうが良いという教育方針のもと、ハイエースのトヨペットルートトラック化が決定しました。
このカスタマイズカーを製作するにあたり、もっとも苦労したのはフロントデザイン。当時のカタログを探して資料として活用。ルートトラックと同じ顔つきを再現するために、アルミの1枚ものでフロントフェイスが製作されました。フロントフェイスを作り上げるのはもちろんのこと、アルミで作られたフェイスをスチールのボディに装着するという、異なる金属素材に装着する点に苦労したそうです。
デッキバンとして見逃せないリヤセクション
フロントフェイスにばかり目が行ってしまうこのクルマですが、デッキバンなのも見逃してはいけないポイント。リヤセクションは大きく切り取られており、リヤガラスは純正のものを裏表逆で装着しています。
また、リヤセクションを大きく切り取ったため強度を出すことにも苦労したようで、外装の雰囲気とマッチするように製作されたバーが装着されています。荷台もしっかりとレトロな雰囲気にマッチするように作りこまれているほか、デッキバン化すると目立ってしまうリヤフェンダーもサイクルフェンダー化されていて、後から見ても完成度は高く仕上がっています。
また、室内を覗くとステップもウッドで作られており、細かなポイントにも手が抜かれていません。
購入した市販パーツは僅か
現代版のトヨペットルートトラックとして完成したこのクルマに使用されている市販パーツはライト、ホイールキャップ、ミラーの3点のみ。ほかは基本的に純正とオリジナルパーツで構成されています。ボディカラーも当時の雰囲気を意識したチョイスとなっていて、全体的な統一感が取れていて完成度の高い1台となっています。
学生たちが「あったらいいな」で製作したハイエースのデッキバン。もしもハイエースのデッキバンが市販化されたら、こんな方向性のカスタマイズが流行りそうな印象を受ける1台です。
製作過程はYouTubeでも公開されているので、気になった方は見てみてください。